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平成15年第280回定例会(第3号 3月 3日)

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  1. 愛媛県議会 2003-03-03
    平成15年第280回定例会(第3号 3月 3日)


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    平成15年第280回定例会(第3号 3月 3日) 第280回愛媛県議会定例会会議録  第3号 平成15年3月3日(月曜日)   〇出席議員 51名    1番  阿 部 悦 子    2番  今 井 久 代    3番  佐々木   泉    4番  白 石   徹    5番  戒 能 潤之介    6番  渡 部   浩    7番  赤 松 泰 伸    8番  本 宮   勇    9番  欠     番   10番  欠     番   11番  欠     番   12番  欠     番   13番  高 橋 克 麿   14番  井 上 和 久   15番  尾 崎   聡   16番  岡 田 志 朗
      17番  黒 川 洋 介   18番  河 野 忠 康   19番  明 比 昭 治   20番  猪 野 武 典   21番  田 中 多佳子   22番  池 田   伸   23番  堀 内 琢 郎   24番  藤 田 光 男   25番  村 上   要   26番  中 矢 民三郎   27番  井 原   巧   28番  寺 井   修   29番  毛 利 修 三   30番  薬師寺 信 義   31番  仲 田 中 一   32番  西 原 進 平   33番  柳 澤 正 三   34番  岡 野 辰 哉   35番  栗 林 新 吾   36番  笹 田 徳三郎   37番  大 前 尚 道   38番  帽 子 敏 信   39番  菊 池 平 以   40番  篠 原   実   41番  清 家 俊 蔵   42番  横 田 弘 之   43番  高 門 清 彦   44番  森 高 康 行   45番  俊 成   薫   46番  岡 田   稔   47番  亀 岡 秀 雄   48番  越 智   忍   49番  谷 本 永 年   50番  中 畑 保 一   51番  山 本 敏 孝   52番  山 本 順 三   53番  玉 井 実 雄   54番  池 田 忠 幸   55番  先 田 通 夫  ―――――――――― 〇欠席議員 なし  ―――――――――― 〇欠  員 1名  ―――――――――― 〇出席理事者   知事                   加 戸 守 行   副知事                  吉野内 直 光   副知事                  前 田 瑞 枝   出納長                  永 野 英 詞   理事                   服 部 和 良   総務部長                 金 谷 裕 弘   企画情報部次長              三 好 大三郎   県民環境部長               武 智 勝 久   保健福祉部長               今 井 春 雄   経済労働部長               高須賀   功   農林水産部長               市 川 憲 次   土木部長                 山 本 雅 史   公営企業管理者職務代理者公営企業管理局長 秋 川 秀 美   教育委員会委員              山 口 千 穂   教育委員会委員教育長           野 本 俊 二   人事委員会委員              菊 池 裕 子   公安委員会委員              森 實 達 直   警察本部長                小 谷   渉   監査委員                 吉 久   宏     ―――――――――― 〇出席事務局職員   事務局長      佐 野 武 秀   事務局次長     山 岡 昌 徳   総務課長      栗 田 史 朗   参事議事課長    北 川 一 德   副参事総務課長補佐 窪 田 克 博   副参事議事課長補佐 大 内   史     ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件   定第4号議案ないし定第74号議案   議発第14号議案     ――――――――――――――――      午前10時 開議 ○(柳澤正三議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者に仲田中一議員、井上和久議員を指名いたします。     ―――――――――――――――― ○(柳澤正三議長) これから、定第4号議案平成15年度愛媛県一般会計予算ないし定第74号議案及び議発第14号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(菊池平以議員) 議長 ○(柳澤正三議長) 菊池平以議員    〔菊池平以議員登壇〕 ○(菊池平以議員)(拍手)自由民主党の菊池平以でございます。質問をさせていただきますので、理事者の温かい御答弁を心からお願いを申し上げます。  まず最初は、水産業の振興に関してであります。  御案内のとおり、我が国は四方を海に囲まれ、その海の恵みである水産物は、古来から重要な食料資源として国民の健康と豊かな食生活を支えてまいりました。近年では、魚介類の脂質に含まれる不飽和脂肪酸に生活習慣病に対する予防効果があることや水産物がカルシウムやビタミン類の貴重な供給源となっていることが見直されるなど、食品としてのすぐれた栄養特性に関心が寄せられています。  また、地域ではぐくまれた郷土料理を初め多様な料理法による豊かな食文化の主役としても私たちの食卓に欠かせない存在となっており、これを支える水産業は、将来にわたって、新鮮で安全、良質な水産物を安定的に供給する重要な役割を担っていると思います。  このような中、近年、若者を中心に魚離れが進んでいるとよく言われておりますが、さきに県が県内の消費者を対象に実施したアンケート調査によりますと、回答者の96%が「魚介類を食べることが好き」であると答えており、おいしい魚介類を食べたいというニーズは、時代や世代を超えて大きいことがわかるのであります。そして、消費者が水産物に求める最も重要な要素は鮮度であり、食品に対する安全性への信頼が揺らいでいる今日、これまで以上に新鮮で高品質な魚介類の提供が強く求められております。  御案内のとおり本県の水産業は、平成13年の漁業生産量が16万3,260トン全国第10位、生産額においては、減少傾向に歯どめがかからないとは言え、関係者の懸命な努力の結果1,116億円と北海道に次いで全国2位の地位を占めるなど、本県経済を支える重要な基幹産業でもあると思います。  しかしながら、県下の水産業を取り巻く環境は、アジ、サバ、イワシ、サワラなど青物と言われておりますこのような魚種が、資源量の激減に漁獲不振を招き、加えて養殖漁業も生き残り策を見出せないままの現状であり、それらが漁協経営や市場の活力低下を起こし輸入水産物の増加がさらに追い打ちをかけるなど、さながら生死の境をさまよう厳しい状態が今なお続いております。  私は、こうした状況から元気を回復するためには、安全・安心を求める消費者ニーズに的確に対応した消費者重視、品質重視の生産販売活動を果敢に展開し、「愛媛産には、愛がある。」のキャッチフレーズに即した全国に誇れる愛媛の水産物の一貫した提供体制づくりを県、漁業団体、生産者が今こそ一丸となって推進していくことが愛媛水産業の起死回生策になると考えるのであります。  そこでお尋ねをいたします。  質問の第1は、消費者が求める品質重視の水産物の提供体制づくりに県はどう取り組んでいくのかお聞かせをください。  その2は、私の地元であります八幡浜市は、西日本でも有数の水産物の生産流通拠点であると自負いたしておりますが、魚市場は建設後25年以上が経過し老朽化が進むとともに、保冷車など運搬車両の増加や大型化により荷積場や駐車場が手狭で時代のニーズに十分な対応ができていない、利用者にそっぽを向かれかねない施設になっており、その更新が強く望まれております。  八幡浜市では、漁港機能を充実させ市場の改修を計画をいたしておりますが、県はどのように対応していくのかお聞かせをください。  次に、南予地域観光振興イベントについてお尋ねをいたします。  南予地域は、これまで交通アクセスが悪く、豊かな自然や歴史、文化など観光資源に恵まれているにもかかわらず、残念ながらその素材を十分に生かし切れない状態が続いております。しかしながら、2000年7月の四国縦貫自動車道の大洲延伸以降、愛媛県全体の観光客の入り込み数が落ち込む中で南予地域は微増を続けており、観光振興を図る上からも、高速交通体系の整備が必要不可欠であることが改めて認識をされたところであります。  こうした中で、さきに国土交通省から2003年度の高速自動車道等供用開始予定区間が明らかにされましたが、その中に、地域の人々が待ち望んだ四国横断自動車道の宇和延伸が含まれており、開通すれば、南予地域の活性化に向けて大いに弾みがつくものと期待をいたしております。
     しかしながら、こうした交通基盤の整備を観光の振興などによる地域の活性化に結びつけていくためには、ハード整備にあわせてソフト施策を積極的に展開し地域の魅力を高めていくことが重要であります。  そうした意味から、このたびの宇和延伸の機会を逃すことなく、南予地域観光振興イベントえひめ町並博2004が開催されますことは、まことに時宜を得たものであると私は考えております。特に、今回の町並博では、南予地域を道後温泉、しまなみ海道に続く本県の新たな観光ブランドに育て上げることを目標に、幅広い住民の参画のもとイベントを展開されると聞いております。これまで実施されてきた各イベントの効果は、とかく一過性に終わることが多かったわけでありますが、町並博は、地域の人々が改めてみずからの地域を見直し、魅力あふれる観光まちづくりに息長く取り組むためのきっかけと位置づけられており、この理念が地域に根づけば、南予のすばらしさが継続的に全国に発信され、多くの方々が繰り返し訪れるようになるものと期待は大きく膨らむのであります。また、このような南予地域における交流人口の拡大こそが、知事が2期目の県政の最重要課題として掲げられている高速道路の南予延伸を加速させ、地域のさらなる活性化につながっていくものであると確信をいたしております。  そのような意味から、今回の町並博につきましては、開催期間中の一時的な経済効果のみならず長期的な視点に立った施策が展開されることを強く望むものであり、そのためには思い切った投資も必要ではないかと考えますし、県の意欲だけでなく、その地域と周辺の意欲の高まりこそが成否を決めることになると考えます。  そこでお尋ねをいたしますが、2004年の開催に向け、南予地域観光振興イベントの今後の取り組みはどうかお聞かせをください。  次は、高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定に関する問題についてであります。  御承知のとおり、高レベル放射性廃棄物とは、原子力発電所で発電に使用した後の使用済燃料を再処理し、資源として利用できるウランやプルトニウムを取り出した後に残る放射能の高い廃棄物をガラスと合わせてステンレス製の容器に封入し安定な形態に固化したものであります。  国では、この高レベル廃棄物の処分について、30から50年間冷却貯蔵した後、地下深部に埋設処分することを基本方針としており、平成12年5月には、処分地選定の手続や処分実施主体の設立など、処分の実施に必要な枠組みを定めた特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律が成立をいたしております。この法律に基づいて策定された最終処分計画等によりますと、平成10年代後半を目途に概要調査地区を選定し、その中から20年代前半を目途に精密調査地区を選定、さらにその中から30年代後半を目途に最終処分施設建設地を選定、40年代後半を目途に処分を開始するとされており、平成12年10月には、同法に基づいて最終処分の実施主体として原子力発電環境整備機構が設立認可され、既に業務を開始いたしております。  ところが、先日の新聞報道によりますと、核燃料サイクル開発機構の前身、旧の動力炉・核燃料開発事業団いわゆる旧動燃が、1980年代に愛媛を含む12道県の40数カ所を処分候補地とする報告書をまとめていたとの報道があり、驚きをもって受けとめたのであります。なぜこの時期にこのような報告書の存在が明らかになったのか、この報告書をもとに、本県へ最終処分場が一方的に押しつけられるのではないかとの不安を抱いたのは、私一人ではないと思うのであります。さらに市民団体の要求にも、核燃料サイクル開発機構が事業の適正な執行に支障があるとの理由で候補地の詳細な地名を開示しなかったことから、訴訟が提起されたとも報道されているのであります。国や関係機関、団体などでは、これまでの苦い経験を踏まえ、原子力行政への信頼を得るべく取り組みを重ねているのでありますが、こうしたことがありますと、その努力をふいにするものと残念に存ずる次第であります。  そこで、この問題につきましては、過去に本会議場でも議論があったところでありますが、改めてお伺いをいたします。  県は、今回の報道に対しどのように対応をされたのか。また、旧動燃の報告書に基づいて、一方的に本県への高レベル放射性廃棄物最終処分施設の立地が進められることはないと思いますが、県はどのように考えておられるのかお聞かせを願いたいと思います。  次に、障害者福祉における支援費制度についてお尋ねをいたします。  社会福祉の分野においては、平成12年6月に公布された社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律により、いわゆる社会福祉基礎構造改革が進められております。  この社会福祉基礎構造改革は、利用者の立場に立った社会福祉制度の実現と時代の要請にこたえる福祉サービスの充実という視点に立った社会福祉全般にわたる大きな改革であり、既に平成12年4月の介護保険制度の導入を初め、地域福祉権利擁護事業の実施や苦情処理体制の整備など、改革は着実に進められております。  もとより障害者福祉の分野もこうした改革の例外ではなく、身体障害者、知的障害者及び障害児の福祉について、本年4月から介護保険制度と同様、契約によりサービスを利用する支援費制度が施行されることとなっております。支援費制度においては、これまでの措置制度のように行政がサービスの利用者を特定してサービスの内容を決定するのでなく、利用者である障害者が、サービスを提供する事業者との対等な関係に基づき、みずからサービス提供者を自由に選択し、契約によってサービスを利用することができるようになるという障害者本位の制度であるとともに、住民に最も身近な地方公共団体である市町村が窓口となり支援費の支給決定を行うことにより、よりきめ細かな支援が図られ、サービスの利便性が向上するなど障害者の個人としての尊厳を重視した21世紀にふさわしい福祉サービス制度となることが期待をされております。  しかしながら、昨年末の政府予算編成過程の中では、在宅障害者の相談に応じ、地域生活を総合的に支援する市町村障害者生活支援事業及び障害児(者)地域療育等支援事業について国庫補助制度が廃止され一般財源化されたことは、新聞等でも取り上げられたところであります。地方自治体に対して地方交付税措置を行うとのことではありますが、障害者の福祉制度が大きく変わろうとしているこの時期に、障害者の地域生活を支える重要な事業であり、支援費制度においても、その役割が期待されていた2つの事業が一般財源化されることに障害者及びその家族からは不安の声が聞こえております。  支援費制度導入への不安を払拭し、障害者とその家族が安心して新しい制度のもとでサービスを受けることができるよう県、市町村、関係機関が一体となって積極的に取り組んでいく必要があると考えます。  高齢者福祉の分野においては、介護保険制度が導入されたことにより民間企業を含む多様な事業主体の参入が認められ、利用者にとってはサービスの選択肢が広がったと言われておりますが、制度の導入時にはさまざまな混乱が生じ新聞紙上やテレビを数多くにぎわしたことは、記憶に新しいところでもあります。  支援費制度が、ノーマライゼーションの理念実現に向けて真に障害者が利用しやすい制度となるためには、サービス提供体制の量的かつ質的な整備はもとより、関係者への周知や情報提供、市町村における支給決定事務の円滑な実施が不可欠であり、そのために県が担う役割は極めて重要であります。  そこで、支援費制度の導入に当たって、措置制度から新しい制度に円滑に移行できるよう県としてはどのような対応を行っているのかお聞かせをください。  次は、障害児の療育・教育等施設に関してであります。  障害者が障害のない人と同等に生活をし活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念に基づき、住みなれた地域で医療と福祉が十分な連携のとれたケアが行われ、すべての県民が安心して生活できる環境を整えることは重要なことであります。  近年、障害児においては、その障害の重度化、重複化、多様化が見られ、平成13年度末現在、身体障害者手帳保持者の70.6%が1、2級の重度、療育手帳保持者においても55.8%が程度Aという重度化の進行が著しい上、多発している脳性麻痺を起因とする障害の場合には身体的障害と知的障害が同時に発生することが多く、障害の重複化の傾向も顕著となっております。さらに、身体・知的以外の現代的障害として対応がおくれていると言われております自閉症、情緒障害、学習障害などさまざまな障害のある児童が多く見受けられ、障害の重度化、重複化とあわせて多様化も進んでいることが憂慮されております。  このような状況の中で、疾病や障害があっても適切な医療や療育を受けられる体制の整備が求められており、このために、さきの第五次愛媛県長期計画や平成12年度に出されました地域療育推進協議会の提言においては、医療、保健、福祉、教育が一体となった療育に関する拠点施設の必要性が強調をされております。  私といたしましても、これら障害のある児童を地域で手厚くケアしていくという地域療育の推進には、その拠点となる中核施設の設置が不可欠ではないかと考えるのであります。  このような中、県では、これら提言をどのように実現するかを検討するため、平成14年4月に庁内に障害児療育・教育等施設再整備検討会を設置し、その具体的な整備の方針について検討を重ねられ、先般その検討結果を取りまとめて知事へ報告をされました。  この報告書を拝見いたしましたところ、本県に整備が必要とされている仮称子ども療育センターは、医療的設備の整った近代的な総合施設として整備されるとともに、医療、保健、福祉、教育が連携した多くの機能が盛り込まれており、その内容の豊富さと質の高さには大変強く感銘を受けたところであります。しかしながら、箱物と言われる施設整備にありがちな、いわゆる仏つくって魂入れずのことわざではございませんが、建物が立派であってもその中身である機能が貧弱では、到底子ども療育センターという名にそぐわないものになってしまいます。まさに発揮する機能こそが重要だと考えており、私も障害を持つ子の親として、このセンターが、報告書の基本方針どおりの充実した内容の施設となりますよう切に願ってやまないところであります。  もとより県の財政状況が厳しさを増していることは十分承知をいたしております。しかし一方で、各分野における行政ニーズは増大し、多様化、複雑化していることは確かであり、絶えず事務事業の見直しを行いながら、子ども療育センターのように重要性の高いニーズには的確な対応を図っていく必要があることもまた確かなのであります。  そこでお伺いいたします。  障害のある児童やその保護者の方々は早急な整備を望んでおりますが、子ども療育センターの建設に当たって、今後どのように整備していくのかお伺いをいたします。  最後に、生涯学習社会づくりについてお尋ねをいたします。  すべての県民がそのライフステージに応じて、いつでもどこでもだれでも学ぶことができる、より充実した人生を送ることができるような生涯学習社会を形成していくことが要請されてきております。そして、人々が定住したい、魅力ある地域であるための前提条件として、こうした社会の実現が不可欠になっているのであります。  また近年、国際化や高度情報化などとともに少子・高齢化の急速な進展、家庭や地域の教育力の低下、地球規模で広がる環境問題など社会の情勢は大きく急速に変化をしております。  このような状況の変化に対応して、県民一人一人がみずから積極的に学習し、生きがいを持って社会にも貢献していくことが強く求められているところであり、生涯を通じ、それぞれのライフスタイルに応じて生涯学習ができる体制をつくり上げていくことが必要となっております。  現在、県、市町村を初め各種施設や団体などでさまざまな生涯学習施策が展開されているところでありますが、県民ニーズに的確に対応していくためには、これまでのように個々で事業を実施するのでなく、それぞれ役割分担を図りながら、連携、協力のもとネットワークを形成していく時期が来ているのではないかと考えるのであります。  もう一つ重要なことは、いかに地域の伝統・文化を守り育てていくかということであります。  私は、今後、市町村の合併が進む中で、それぞれの地域に合った独自の文化やよき伝統が埋没していくのではないかと危惧するものであります。  近年、山形学あるいは京都学といったいわゆる地域学、ふるさと学が全国各地で盛んになってきておりますが、本県においても、地域の個性を継承していく確実な方法の一つとして、こうした面から生涯学習活動を積極的に展開し、愛媛の歴史や貴重な伝統・文化などを後世に伝えていくことが必要ではないかと考えております。その際には、特に児童生徒の段階から地域と触れ合っていくことが大切であり、今にも増して、学校と地域社会や社会教育とが連携を図りながら郷土を愛することのできる子供をはぐくんでいくことが求められていると思うのであります。  そこで、お伺いいたしますが、県では、先般新しい生涯学習推進計画を策定されたところでありますが、今後どのように生涯学習を推進していくのか御所見をお伺いしたいのであります。  以上で質問は終わりますが、ここで一言申し述べさせていただきたいと思います。  今、八幡浜市民の最大の関心事は、御案内のとおり、光センサー選果機不正入札問題、日の丸共選ミカン箱詰め偽装問題に集中をいたしております。JA西宇和の対応と補助金返還の問題であります。全く明るいニュースのない八幡浜にとりまして、地元の私にとりましても、これ以上のものがないほど重大事であります。どうした八幡浜、これでいいんか八幡浜、このままでは沈没してしまうぞ八幡浜、そんな声で満ち満ちております。  ミカン導入から100年余、先人たちが営々として築き上げてきた海に面した段段畑、すばらしい環境のもとでのミカン栽培に関しては、すばらしい条件を背景に肥培管理、園地の開拓にと汗を流し、汗の上に汗をかき、吹き出る塩をなめながら育てて守ってきたミカンが、瓦解のごとく崩れ去るのではないかと瀕死の状態で悲鳴を上げているのであります。  御案内のとおり、今JA西宇和では、再出発に向けて組織体制を刷新し再発防止策を検討しているところでありますが、県を初め関係機関の指導、協力なくして再生への道はないと考えております。正すべきは正し、農家が一日も早く生産意欲を取り戻せますよう、また一刻も早く正常化ができますよう、県の御支援を強く要望をいたすところであります。  こうして前に立ちまして、議員の皆さん方の鋭い視線を受け、いよいよ今任期も本議会で終わるわけでありますが、それぞれ皆さん方胸に秘めた熱い思いで今御健闘をされていることであろうと思います。私もその中の一人でもあります。  私は、今議会のこの質問の最後に当たりまして、自分の感じたところを引用をしたい言葉を温めておりました。ところが、さきの代表質問の知事答弁で「憂きことのなほこの上に積もれかし限りある身の力ためさん」先にやられまして、(笑声)私にとりましては、本当に少ない知識の中からためておった言葉だけに、(笑声)それは知事ないぜよという気持ちでありますけれども、改めまして、私は私の言葉で熊沢蕃山のくだりを述べて、終わりにしたいと思います。  憂きことの なほこの上に積もれかし 限りある身の 限りある身の己が力ためさん  以上で質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○(柳澤正三議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(柳澤正三議長) 加戸知事    〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 菊池議員の質問に答弁さしていただきます。  冒頭、水産業の振興についてのお尋ねございました。  消費者が求める品質重視の水産物の提供体制づくりに県はどのように取り組むのかとのお尋ねでございました。  県では、2010年を目標年次としました水産えひめ振興ビジョンの重点プロジェクトの一つといたしまして、愛媛の魚の流通加工体制の強化を掲げておりまして、水産物の品質向上や販売促進などの諸施策を展開しているところでございます。  このため平成14年度には、愛媛の魚の品質管理レベルの向上や高付加価値化を目指した品質管理高度化マニュアルを作成・配布いたしますとともに、漁業者、漁協、水産市場関係者等を対象にしましたおいしい愛媛の魚づくり研修会を開催するなど、愛媛の独自性を打ち出したおいしい魚づくりを推進しているところでございます。  また、平成15年度におきましては、これらに加えまして品質管理に専門的な知識を有するアドバイザーを産地市場に派遣しての品質管理指導や意見交換などにも取り組むことといたしております。  今後とも、「愛媛産には、愛がある。」のキャッチフレーズのもと、生産者の顔が見える情報の提供などを通じて本県水産物に対する消費者の信頼を高めますとともに、そのブランド化と販路の拡大に努めてまいりたいと思っておりますし、水産王国愛媛の復活の一日も早いことを心から祈っている次第でございます。  次に、2004年の開催に向けた南予地域観光振興イベントの今後の取り組みはどうかとの御質問でございました。  今回計画いたしております町並博におきましては、南予地域の振興に役立ち、将来ともに持続可能な観光まちづくりに市町村等と一体となって取り組んでいくことが最も肝要なことであると考えております。  このため、昨年11月に策定しました実施計画に基づきまして、これまでに市町村や各種団体への説明会の開催、マスコミや旅行業者への協力依頼、ポスター等による一般への告知などを進めてきたところでもございます。  今後は、平成16年春からの開催に向けまして、コアイベントや広域テーマイベントの具体化、市町村による地域企画イベントの準備に早急に取り組みますとともに、これに対応できる会場修景や交通運営の体制づくり、イベントの具体化に対応した広報宣伝、誘客促進活動等を計画的に実施していくこととしております。  なお、持続的な観光まちづくりを担います住民グループによる自主企画イベントにつきましては、住民の実施意欲の喚起や行政の支援が重要でありますことから、各地域での住民座談会の開催によるグループの形成とか観光資源の掘り起こしとかに取り組みますほか、専門家による指導や事業費支援を行うなど、全力を挙げて取り組んでいくこととしておりまして、えひめ町並博2004をぜひとも成功させたいと期待をいたしております。  次に、子ども療育センターを今後どのように整備していくのかとのお尋ねでございました。  障害のある子供たちにとりまして、家庭や地域で家族とともに生活してまいりますためには、保健、医療、福祉、教育これらが連携した総合的な支援を行う地域療育が重要であると認識しております。  この地域療育の拠点施設となります子ども療育センター、現時点では仮称でございますが、この子ども療育センター整備につきましては、障害児療育・教育等施設再整備検討会におきまして、愛媛整肢療護園の機能、人材、療育のノウハウ等を活用するのが適当でありまして、さらに、障害の重度化、重複化、多様化に対応して、教育とも連携がとれた総合的な専門施設といたしますために、同園を第一養護学校本校敷地及び隣接地に移転して、あわせて入所児の高等部教育の機会を確保するという検討結果を得ているところでございます。  このため、現下の財政状況等も勘案しながら、第一養護学校寄宿舎を子ども療育センター内に設置することや校舎の増設、そして、既存施設の有効活用などにも考慮しながら、段階的そして両者が連携した一体的な整備について真剣に検討してまいりたいと思っております。  最後に、菊池議員の方から要望のございましたJA西宇和の不正入札問題につきましては、JAみずからが起こした重大な事件であり、愛媛のミカン農業のみならず系統組織にも与える影響が大きいものでもございます。  JAには、深刻かつ憂慮すべき事態を十分認識していただき、新しい執行体制のもとで、まずは、補助金の返還方法や再発防止策等について、農家組合員の理解と合意が得られる方策を急ぎ検討していただかなければならないと考えております。  県といたしましても、菊池議員の御要望の趣旨にこたえるため、系統組織とも連携しながら、これらの課題が円滑に進められるよう最善の努力をしてまいりたいと思っております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたしますが、最後に、菊池議員の方からお話のございました熊沢蕃山のお言葉、私と同様な心境であると理解さしていただいておりまして、どうか菊池議員の持てる、限りある身の菊池議員の力を試されますよう、心から応援さしていただきたいと思っております。 ○(武智勝久県民環境部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 武智県民環境部長    〔武智勝久県民環境部長登壇〕 ○(武智勝久県民環境部長)菊池議員にお答えを申し上げます。  旧動燃の高レベル放射性廃棄物最終処分施設の選定調査報告書に関する報道に県はどう対応したのか。また、報告書に基づいて、本県への立地が進められることはないと思うがどうかとの御質問であったと思います。  このたび報道されました調査報告書につきましては、県といたしましては一切承知していないものでありましたが、直ちに核燃料サイクル開発機構これは旧動燃でございます、ここに事実関係を照会をいたしますとともに、高レベル廃棄物処分の実施主体でございます原子力発電環境整備機構並びに最終的に概要調査地区を決定をすることとなっております経済産業省にも確認を求めたところでございます。  その結果、この報告書は、旧動燃が全国土を対象に初期段階の調査をまとめたもので本県を含む数十カ所が報告されたものではありますが、核燃料サイクル開発機構では、現在は、原子力発電環境整備機構が高レベル廃棄物の処分を担当しておりまして、サイクル機構とは技術協力協定を結んでおりますが、同協定で公開情報のみを対象とするよう規定をしておりまして、今回の報告書は細部を非公開としておりますこと、また、整備機構からも当該報告書の提供依頼がないこと、そういうことから、概要調査地区の選定に当たって使用をされることはないといたしてございます。  また、原子力発電環境整備機構及び経済産業省でも、処分地選定につきましては、お話もございましたとおり平成14年12月から概要調査地区を公募をいたしておりまして、選定に当たって旧動燃の報告書を使用することはないとしており、この報告書に基づいて、本県への高レベル放射性廃棄物最終処分施設の立地が進められることはないと考えております。  なお、地点選定に当たりましては、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づきまして、所在地を管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を聞き、これを十分尊重しなければならない、こういうことになっておりまして、地元の意に反して調査地区等の選定が行われることはないと、このように考えております。  以上でございます。 ○(今井春雄保健福祉部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 今井保健福祉部長    〔今井春雄保健福祉部長登壇〕 ○(今井春雄保健福祉部長)菊池議員にお答えいたします。  支援費制度の導入に当たり、措置制度からの円滑な移行のため県はどのような対応を行っているのかとのお尋ねでございました。  平成15年度から施行される支援費制度によるサービスを4月1日から提供するためには、今年度中にサービスを提供する事業者・施設の指定とサービス利用を希望する障害者に対する支給決定を行う必要がありますことから、市町村や事業者・施設に対する説明会の開催、障害者団体や養護学校等への制度の周知、県広報紙「さわやか愛媛」による申請の勧奨など施行に向けての準備を進めてきたところでございます。  このうち県または松山市が行う事業者・施設の指定につきましては、2月末現在で県、松山市合わせて243件の申請を受け付けておりまして順次指定を行っております。指定済みのものは県ホームページで情報提供しているところでございます。  また、市町村が行います支給決定につきましては、昨年10月以降、順次支給申請を受け付け、現在聞き取り調査等の作業を進めているところでありまして、今月中に支給決定を行うこととしております。  今後とも、県ホームページ等により必要な情報を提供しますとともに、市町村が支給決定を円滑に行えるよう関係機関と連携しながら支援してまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○(市川憲次農林水産部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 市川農林水産部長    〔市川憲次農林水産部長登壇〕 ○(市川憲次農林水産部長)菊池議員にお答えいたします。  水産業の振興に関連いたしまして、八幡浜市の漁港機能の充実と市場の改修にどう対応するのかとのお尋ねでございました。  八幡浜市の現在の魚市場等の漁港施設につきましては、お話もございましたように、老朽化、狭隘化が著しくなっておりまして、県におきましては、八幡浜漁港水産基盤整備基本計画に基づきまして、平成20年度の完成を目標に、本年度から7カ年計画で施設の拡充、整備に取り組むことといたしております。  この計画では、県が、水産物流通機能の拠点としての陸揚げ岸壁や駐車場、関連道路等を整備するとともに、八幡浜市が、高度な衛生管理機能を備えた魚市場や製氷施設、加工場等の関連施設を整備することにいたしておりまして、現在、事業実施に必要な地質調査等を県営で実施しているところでございます。  県といたしましては、八幡浜市や国などとも協議、連携いたしまして円滑な事業推進に努めますとともに、八幡浜市が19年度から20年度にかけて計画いたしております魚市場の整備等の事業につきましても国補事業が導入できるよう努めてまいりたいと思っております。  以上でございます。
    ○(野本俊二教育長) 議長 ○(柳澤正三議長) 野本教育長    〔野本俊二教育長登壇〕 ○(野本俊二教育長) 菊池議員にお答えをさしていただきます。  県は新しい生涯学習推進計画を策定したが、今後どのように生涯学習を推進していくのかというお尋ねでございました。  お話にもございましたように、学びを通じまして県民一人一人が自分自身を高めながら人々との交流を促し、さらには、学んだ成果を社会に還元していく、これからはそういう生涯学習社会づくりが求められていると思います。  このため先般策定いたしました愛媛県生涯学習推進計画におきましては、学び、伝え、ともにつくる生涯学習社会を目指しまして、学社融合の促進、そして地域学の推進、それから学び舎えひめの構築、この3つを重点施策として推進することとしております。  この学社融合につきましては、学校教育と社会教育がそれぞれのメリットを生かしながら一体となって取り組もうとするものでございます。そして、地域学は、みずからの地域を知り、見直し、その成果を地域づくりにつなげていこうというものでございます。また、学び舎えひめにつきましては、愛媛に関する学習機会を体系化いたしましてネットワーク講座の開催を目指そうとするものでございます。これらの計画内容につきましては、ビジュアル版などを作成いたしまして、広く県民の方々に周知をしていきたいと考えております。  また、平成15年度におきましては、早速、学社融合のあり方や食に焦点を当てましたえひめ地域学の調査研究などを行うこととしておりまして、今後、市町村それから関係団体と連携を密にしながら、学び舎えひめにつながるネットワーク講座にも取り組んでいきたいと考えております。  さらに平成16年度におきましては、愛媛県で全国生涯学習フェスティバルを開催いたしまして、これを契機といたしまして、さらなる生涯学習の機運の醸成と振興を図ってまいりたいと考えておりまして、来年度から、実行委員会を設置いたしまして実施計画の策定など本格的な諸準備に取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。 ○(柳澤正三議長) 暫時休憩いたします。      午前10時47分 休憩    ――――――――――――――――      午前11時2分 再開 ○(柳澤正三議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(今井久代議員) 議長 ○(柳澤正三議長) 今井久代議員    〔今井久代議員登壇〕 ○(今井久代議員)(拍手)日本共産党の今井久代です。  まず、知事の政治姿勢についてイラク問題であります。  既に戦争開始は秒読み段階と言われ、今月の早い時期にもアメリカによる戦争が引き起こされるのではと、世界がかたずをのんで注目しているイラク問題について、加戸知事の御所見をお伺いいたします。  日本政府は、国連安保理討論会でイラクに対する新しい制裁決議の採択を求める演説を行いました。これに対して国内から厳しい批判が起こっています。1月28日に結成されたイラク攻撃と有事法制に反対する演劇人の会には、女優の大竹しのぶさんたち123人が呼びかけ人として名前を連ねています。趣意書によると、対話によって成立する演劇は武力攻撃による外交手段に反対します。演劇は戦争に反対しますと力強く訴えています。  先月15日には、世界の60カ国600都市で合わせて1,000万人もの人々がイラク攻撃に反対して集まりました。まさに空前のことです。  これを見ると、小泉内閣がいかに国内の平和の世論に背き世界の運動に逆らって危険な道を走っているかがはっきりします。それどころか与党の中にも批判が起こっています。例えば、どうしたら戦争を回避できるかを考えるべきで、査察が必要ならば徹底的にやればいい、これは自民党前幹事長の古賀誠さんの言葉です。  こうしたとき、私たち一人一人が平和のための声を上げることが大事ではないでしょうか。  戦争や外交の問題は国の問題だ、政府の所管だとしてしまいがちです。また、立場上、政治向きのことについて表明できないとして逃げてしまうこともありますが、さきの演劇人の会は、それぞれが一人の演劇人として戦争の危機に向き合い、平和の声を上げたところに大きな値打ちがあります。だれもがその立場で声を上げれば戦争は食いとめることができる。  そこで、加戸知事に一個の人間として、この戦争の危機に向き合ってどう感じておられるか、そのお考えをお聞かせいただきたいと存じます。  次に、知事発言についてです。  知事選挙後、加戸知事は、知事選挙の投票率と自治体人口が逆比例するなどとして、投票率の高い自治体へ県の支援を優先的に進めるような発言をされました。  県の予算配分は、必要なところに費用対効果を考えてむだなく行うのが原則であって、投票率の高い低いは無関係です。もし投票率で支援を決めるようなことになれば、加戸県政に対し棄権という形で無言の批判を行った有権者が多い自治体に対して報復を行うに等しく、到底、公正・公平な行政の態度とは言えません。  選挙結果と絡めて論功行賞を行うような不適切な発言は撤回し、県民に謝罪すべきと考えますがいかがでしょうか。  また知事は、昨年、市町村合併のささやかな御祝儀として、東予有料道路を無料にするなどとおっしゃったようですが事実でしょうか。東予有料道路と西海有料道路は、共産党としても無料化を要望しており議会でも論議してまいりました。ところが選挙直前になって、突然御祝儀などと発言される。これは余りにも露骨な選挙目当てで、議会軽視ではないのかとの声が出るのは当然です。  知事はどのように反省しておいででしょうか、お答えください。  またその一方で、知事選挙後は、どうも実現しそうにないので公約違反だ、空公約だとの声も上がっています。私の地元新居浜市民も多く利用する道路ですから、市町村合併とは切り離してでも無料化するよう要望して、質問いたします。  3点目に、知事の退職金を大幅カットする考えはないかであります。  今議会2月補正予算案に、加戸知事の退職金4,760万円が計上されています。当選したばかりなのになぜ退職金か。1期4年分の退職金が4,760万円だ。これは県民の目線から見て妥当なことでしょうか。  県民の感覚で言うと、退職金とは、長い間働いて最後に受け取るお金です。それを知事は4年ごとにもらう。しかも金額は1けた違うのではないかと思うほど大きい。その上、知事が提案して自分がもらう。これではお手盛りもいいところではないか。実際に、県民から聞いた話です。  一生に一度退職金さえもらえない県民もたくさんいらっしゃいます。日々雇用の雇用形態で退職金のない人のための建設業退職金共済制度というのがありますが、最近の報道によると、長く働いた方も含め、この制度による退職金の平均が90万と言います。その金額さえ維持できず引き下げようかという論議になっているそうです。  他の県が幾ら出している、こうなっているなどという話にせず、知事のお考えで判断していただきたいのです。それこそ前例にとらわれず意識改革を率先して模範をお示しください。厳しい県民の暮らしや県財政状況から見ても、知事御自身が大幅にカットすべきではありませんか、お答えください。  2番目に、かんきつの光センサー選果機導入をめぐる不正入札問題です。  この疑惑事件は、ちょうど1年前の3月に明るみに出まして、月刊誌政経ジャーナルが11回に及ぶ特集を連載して追及してきました。私どもも昨年3月14日に知事あてに調査を要望し、また独自の現地調査、聞き取りも行って疑惑の解明に努めてまいりました。  疑惑事件の内容は、JA西宇和・川上選果場の選果機入札で、8億7,900万円の機械と10億5,000万円の機械の競争となり、普通から言えば安い方に決めるはずですが、JA西宇和は高い方の10億5,000万円の選果機に決めてしまったということでした。しかも後から高い方に決めたのでは国の監査は通らないというので、8億7,900万円の札を10億7,900万円に書きかえさせつじつまを合わせた。その上、入札の日付を勝手に書きかえてしまいました。1年間JA西宇和の宮本前組合長ら幹部はしらを切り続け、ようやく先般疑惑内容を認めました。  真相解明の扉を開いたのは、粘り強く報道を続けてきた政経ジャーナル誌と、その誌上で実名と顔写真を出して行われた選果機メーカーの前四国支社長の勇気ある証言、これに続くJA西宇和関係者の証言、また、競い合って新事実を明らかにしてきた報道陣の奮闘によるものです。  しかし、今はまだ疑惑解明の第一歩にすぎません。  例えば、事件のかぎを握る入札当日の様子が克明になっていません。宮本前組合長は、2つのメーカーの価格を比べて低い方の価格に注目したそうです。そして、入札価格が予想以上の低価格で事業実施に不安を持ったなどと言いわけをしています。しかし、本当は高い方の価格に注目していなければおかしいと思います。なぜなら高い方は10億5,000万円で予定価格も10億5,000万円。どんぴしゃの落札価格です。普通は、そちらの方がおかしいと不安を持たなくてはうそです。このように基本的なところが解明されていません。  今、特に大事だと思うのは、川上選果場の問題を一層解明するとともに、それ以外の選果場についての問題点も洗いざらい明らかにすることです。  2月24日の記者会見で県農林水産部長は、県内19カ所の選果場について他の入札は適正としましたが、その根拠を問われても、必要に応じて確認したいと述べただけであったと報道されました。これでは今回の失敗を繰り返すことになるでしょう。  2つ目に、JA西宇和の組合員を初めとする農家に補助金返還などの多大な負担が課せられるおそれがある中、その犠牲が農家に及ばないよう最大限の努力をすべきです。この際、大改革が必要だと私ども議員団にも訴えが寄せられています。この努力にこたえて、国も県も八幡浜市も農家負担を回避するよう力を尽くす必要があります。  そこで質問します。  この1年、疑惑を証明する証拠、証言が次々と明るみに出たにもかかわらず、県は、調査したが不正の事実はなかったと言い続けてきました。これは、加戸知事の言うような調査が甘かったというようなものではなく、まともな調査をしてこなかった、真相解明をしてこなかったと言うべきでしょう。具体的には、昨年3月14日に共産党議員団が県に申し入れた際、政経ジャーナルからも事情を聞いて真相解明への協力を求めるよう提案したのに、県は、JA西宇和などから事実確認した結果、疑惑の事実はないのでその必要はないと答弁。せっかくの提案を切り捨て解決を遠ざけました。また、昨年7月に政経ジャーナルがJA西宇和経営陣の一人が不正を認めたと報道した際も、県は、入札は適正で不正の事実はなかったと文書回答を得ていると言いました。このとき、経営陣から事情聴取すれば事実解明は半年前に進んでいたはずです。  このように振り返ると、調査が甘かった辛かったという問題ではなく、調査のつぼをこれ以上はないというほど見事に外していたとしか言えません。疑惑を指摘されている以上、すべてを疑ってかかるのが真相解明の基本姿勢であり、その姿勢が欠けたことが、1年もの間、不正事実を解明できなかった原因と言えます。このように見たとき、県の責任は明らかと思いますが、知事は、光センサー不正入札についての責任をどう感じているかお答えください。  2点目に、補助金適正化法に基づく処罰を求め、宮本前組合長ら幹部を告発すべきではありませんか。  この入札不正は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第29条「偽りその他の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、5年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」に該当します。  加戸知事は2月24日の記者会見で、司直の手にゆだねれば県民も納得するだろうと述べ、県がみずから刑事告発する可能性も示唆したと報じられました。この1年間の反省に立てば当然のことですし、刑事告発は、現時点で、県があらゆる手立てで疑惑解明と再発防止に取り組んでいるかどうかの試金石です。また県警は、これだけの疑惑を当事者が認めている以上、直ちに捜査に着手すべきです。  知事のお考えをお示しください。  3点目に、川上選果場だけでなくほかの選果場でも入札に関して疑惑が持たれていますが、すべて洗い直す考えはありませんか。  1999年から2001年当初にかけて行われた光センサー選果機の入札のうち川上選果場以外にも6件、資本提携や人事提携で結ばれた同じグループの3つのメーカーしか指名を受けず、いわば無競争入札を行っていたという疑惑があります。メーカーの1つは、他県で指名実績も入札実績も納入実績もなく参加の資格が問われるメーカーです。もう1つも、独自の選果機製造能力を持たず別会社の選果機を使用していたと指摘されています。論より証拠で、この疑惑が明らかになった昨年以来、この2つのメーカーは一切入札に顔を出していません。  この際、県内の19件について調査し直す考えはないかお答えください。  最後になりますが、ある意味で最も重要だと考えるのは、JA西宇和組合員である農家の利益を損なわないようにすることです。補助金返還で農家が泣かないためにも県の対応を求めます。  当然ながら、疑惑の中心にある宮本前組合長個人や予定価格どおりで落札させ1億7,100万円も高い価格で受注した県内メーカーも、当然社会的責任を果たすべきと考えます。また、伊方、三瓶など後続の選果機導入が早く解決するよう力を尽くすべきです。  県は、農家の被害を食いとめるためにどう取り組むかお答えください。  3番目に、景気・雇用対策についてです。  出口の見えない長引く不況と将来不安で県民の暮らしは大変です。  さきの知事選挙告示日の前日、地元マスコミが世論調査を発表しました。その中で「次期県政に何を望むか」の問いに、1位景気対策56.9%、2位福祉37.7%、3位教育24.9%という回答になっていました。2月18日来年度予算案の知事記者発表で、緊縮骨格予算の中で一番力点を置いたのはどこかの質問に知事は雇用対策と答えています。これはさきの世論調査なども踏まえてのことと思いますが、県民のこの声に積極的にこたえるための施策について、4点お尋ねいたします。  1点目、中小企業・地域経済振興条例の制定についてです。  愛媛県における中小企業は、企業事業所数99.8%、製造品出荷額は54.6%を占め、全労働者の87.5%が働いています。これらの中小企業が地域経済を支え、まちづくりや地域文化の継承発展を担うなど大変大きな役割を果たしています。ところが近年、倒産や廃業など困難が増し、深刻な状況となっています。  この状況を改善するためには、まず国が中小企業振興のための施策を充実することが必要です。同時に地方自治体の役割も重要です。2003年度の県予算のうち商工費465億円、そのほとんどが制度融資の預託金です。正味の中小企業予算は41億円です。この額は一般会計の実に0.65%でしかありません。これではその役割を十分果たしているとは言えません。今こそ大企業の身勝手なリストラを規制したり、県工事は、中央のゼネコンが請け負う大型公共事業から地元の業者が請け負える町の公共事業へと切りかえ、地域経済の振興を図る地域循環型社会をつくることは行政の重要な課題だと考えます。  そこで、中小企業基本法第6条は、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、中小企業に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的、経済的、社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」と定めています。この観点から、県の責務を明確にするとともに、必要な財源措置を講じ中小企業の経営支援施策を盛り込んだ条例の制定を求めるものですが、お考えをお示しください。  2点目に、若者の就職対策の強化についてです。  景気低迷の中で若者の就職状況は厳しさを増しています。今春県内の学校を卒業する学生の就職内定率は、1月末で高校77.2%、大学59.3%と前年を下回り過去最低となっています。総務省が昨年9月発表の都道府県、年齢別完全失業率では、15歳から24歳の全国平均で9.5%に対し愛媛県は16.3%で沖縄、高知に次いでワースト3位となっています。鳥取県では、若者を雇用した企業に雇用奨励金を支給する制度をつくっています。  社会への第一歩を踏み出す愛媛の若者が夢と希望が持てるよう真剣に県独自の就職強化策を考えるべきです。お答えください。  3点目に、新緊急雇用創出基金事業についてです。  この事業の雇用期間は原則6カ月です。今回一部緩和されましたが、6カ月就労では実情に合っていません。知事も一時的なもので根本的な雇用創出にはならないとの考えを示されたように、実効あるものにするために活用方法の改善を国に要求すべきではありませんか。  また、他県と比べて少ない教員をふやすとか、忙し過ぎる医療現場の中で医療事故、ミスが起こっています。看護師の増員やその解消を図るなど県独自の雇用創出を求めるものです。お答えください。  4点目に、パート労働ノートの交付についてです。  ふえ続けるパート労働者。今の時代、多様な働き方があっていいと思います。しかし、パート労働者の雇用と権利が十分守られていません。  先日、パートで働いている女性から、解雇の通告を受けたが働きたいのでどうしたらいいかとの相談がありました。  こうしたトラブルを防ぐために、東京都が発行しているパートタイム労働ハンドブック2003がいいと聞き取り寄せました。このハンドブックの記録のページでは、毎日の勤務時間の記録、契約内容、毎月の賃金、税金、社会保険料、教育訓練などが記録でき、労働者としての権利と使用者の義務や雇用契約の内容、賃金などの労働条件を記入することができるためパート労働ノートと言われているそうです。東京都では年間8,000冊をつくり配っています。  本県でもこのようなハンドブックをパート労働者に交付することを求めますがいかがでしょうか。わずかな予算で雇用が守られるわけですから、すぐに取り組んでいただきたいと思います。  4番目に、医療・福祉問題です。  今県民のニーズも多様化し、かつ不況のもとで大変切実になってきています。  さきの知事選挙の世論調査では、県政要望の第2位は福祉となっています。財政が厳しいもとで医療・福祉などの切実な県民要望にこたえるためには、不要不急のむだな事業を見直し財源を生み出す必要があります。私どもがこれまで提起した中で、県立病院のジェネリック医薬品、後発品の切りかえや知事の交際費の削減などがされましたが、さらに進めなければなりません。  その財源対策として、地方交付税の削減に反対し財源確保を図る。地方債の低利借りかえと返済期限の延長を図る。核燃料税の引き上げを進める。山鳥坂ダム計画や与党議員からも中止の声が出ている豊予海峡ルートなどの大型公共事業を中止する。箱物に必要以上の建設費をかけない。副知事2人制や県理事などの廃止。議員報酬・政務調査費の削減や海外視察の中止。公費出張は規定額を上限とした実費精算に改める。このようなことを日本共産党として提起しています。知事の愛と心のネットワークだけでは、県民要望にこたえることはできません。  そこでお尋ねします。  医療や福祉などの切実な県民要望にこたえるため、必要となる財源の確保にどう取り組まれますか。  2点目に、医療費3割負担実施の凍結を求める声が高まっています。  今、日本医師会、看護協会、薬剤師会、歯科医師会の4団体は、4月からの医療費3割負担実施の凍結を求める運動を展開しています。  県医師会は、1月30日付愛媛新聞に患者負担増反対の意見公告を掲載するなど、県内の団体も同様の運動を進めています。県医師会の副会長さんは、3割負担になれば、受診抑制が進み、重い症状になってから病院に行きかえって医療費が高くなる。国民は、将来不安のためにお金を貯蓄に回している。国民が一番望んでいるのは景気回復です。医療や福祉を安心して受けられるようにすれば消費へお金が流れ景気を回復できる。国民の負担増になれば景気はますます悪化することになると語っています。また、自民党の中でも凍結を求める意見が出されています。  知事は、県民の命、安全を守る責任を負っています。この県民の声に耳を傾け、国に凍結を求めるべきではありませんか。仮に実施されれば、県民への影響額はどの程度になるでしょうかお答えください。  3点目に、介護保険制度についてです。  介護保険導入のとき、国は、家族介護から社会が支える制度へ、在宅で安心できる介護へ、サービスが選択できる制度へと宣伝しました。今、3年目の最初の見直しの時期を迎えていますが、現実はどうでしょうか。  県の資料から、県内の在宅サービスの利用状況は、利用限度額に対する平均利用率は53.8%、利用者1人当たり月平均利用金額は9万7,413円。そして、介護認定された人の23.1%がサービスを利用していません。利用限度額まで使わない人やサービスを利用しない人の理由はいろいろありますが、高い利用料負担もその大きな要因になっており、まだまだ家族介護に大きく支えられているのが現実です。  また、この3年間で特養ホームの入所を希望する人がふえました。2001年11月時点で、ダブりなしで希望者が4,381人、そのうち在宅が2,769人で1年以内の入所希望者が1,838人となっています。2007年度までの次期計画期間中のベッド数は806床ふやす予定だそうですから、入所までに1年や2年待ちが当たり前になっています。  このように、介護保険制度実施から3年間で明らかになったことは、在宅介護、施設介護もまだまだ不十分でいろいろな問題を抱えていることです。特に今後、高齢化が急速に進む中で介護保険の利用対象者がふえてきます。その結果、保険料や利用料も連動して負担がふえるという根本的矛盾を抱えていることです。  そこでお尋ねします。  4月から、県平均で介護保険料は、現行より約570円高い3,532円、19.2%の値上げになるそうですが、市町村を応援して値上げの中止をすべきではないでしょうか。その財源として、さきの根本的矛盾の解決を図るためにも国の負担割合を30%に引き上げることを求めるべきではないでしょうか。現行の国の負担は介護給付費の25%となっていますが、このうち5%は後期高齢者比率が高い自治体などに重点的に配分される調整交付金です。調整交付金は25%の枠から外し、すべての自治体に25%交付されるよう求めるべきです。  2つに、在宅で暮らせる条件整備を図ることについてです。  多くの高齢者は、介護が必要になってもできるだけ住みなれた自宅で過ごしたいと思っています。高齢者の願いにこたえて、在宅で安心して暮らせる条件を整えることは施設不足の解消にも役立ち、結果的には介護費用の節約にもつながります。介護保険で在宅生活が続けられない障害は、サービスごとに支払う10%の利用料負担です。特に4月からの介護報酬改定では、施設を引き下げ在宅を引き上げようとしています。これが利用料に連動し在宅から施設へという傾向に拍車をかけることになります。
     そこで、在宅サービス利用料の減免制度の創設と家族の急病などの緊急事態に対処できるショートステイの緊急用ベッドの確保を県も財政支援を行いながら高齢者が在宅で暮らせる条件整備を図る考えはどうでしょうお答えください。  3つ目に、特養ホームの整備と優先入所についてです。  特養ホームの入所待ちの解消のために国が決めている高齢者人口比の参酌標準によるのではなく、地域の実情に合わせたものにすべきと考えますがいかがでしょうか。  また、介護度や緊急性などを考慮した優先入所の基準、具体的にお答えください。  4点目に、母子家庭や障害者などの入院給食費の助成を求める問題です。  四国では愛媛県だけが実施していません。さきの議会答弁では財政問題を理由にされておりますが、県の財政規模や財政状況から見て、他の3県より悪いとは思えません。県民の願いにこたえる意思があるかどうかだと考えます。お答えください。  5点目に、乳幼児医療費無料化の拡大と子供のインフルエンザ予防接種補助についてであります。  昨年10月から3歳未満児の医療費負担はすべて2割になっています。私が住む新居浜市では、10月から12月までの3カ月間で1,914万円の減額になっています。子育てなら愛媛でと言えるように、ぜひ通院の医療費無料化年齢引き上げを求めます。当面歯科からの導入をお願いしたいのでありますが、いかがでしょう。  さきの答弁では、医療の中に差別を持ち込むことになるのでとのことでありますが、県民の目から見て、今よりもよいことなので問題はないと考えます。新居浜市では、昨年4月から歯科の医療費無料化を6歳未満児まで実施しています。昨年5月からことし1月までの市費負担は1,380万円余りとなっています。子供たちは毎日成長しています。ぜひ一日も早い実現を求めます。  次に、インフルエンザ予防接種についてであります。  受験を控えている子供たちにとっては休むことのできない時期です。また、予防接種によりインフルエンザにかかっても軽く済むことから医療費の削減になります。希望する子供たちにインフルエンザ予防接種への補助を求めるものでありますが、いかがでしょう。  最後に、原発の高レベル放射性廃棄物の処分地として選定されていた県内の予定地はどこなのか、県民の前に公表してください。  2点目に、核燃料サイクル開発機構に対し、改めて抗議する必要があると思いますが、その考えはいかがでしょう。  3点目に、こうした秘密裏に進められる核燃料サイクルの決め手として、四国電力は、2010年までに伊方原発でこのプルサーマル計画を導入する予定です。1月28日には、四電の大西淳社長が予定どおりプルサーマル計画を進めると繰り返しています。 ○(柳澤正三議長) 時間ですから急いでください。 ○(今井久代議員)(続き)中止を求めるべきではありませんか。  4点目に、原子力工学を研究した専門家が本県には1人もいません。かねてから指摘をしてまいりましたが、本年度の配置見込みはいかがでしょう。  5点目に、昨年、福島県が…… ○(柳澤正三議長) 時間です。 ○(今井久代議員)(続き)核燃料税の引き上げを実施しました。本県でも引き上げを求めますが、お答えください。  以上で質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○(柳澤正三議長) 質問者は必ず時間を守ってください。  議長から厳しく注意をさしていただきます。  理事者の答弁を求めます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(柳澤正三議長) 加戸知事    〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 今井議員の質問に答弁さしていただきます。  知事の政治姿勢についてということで、冒頭、アメリカのイラク攻撃に対する知事の所見はどうかとのお尋ねでございました。  イラク問題の解決のためには、イラクがみずから能動的に疑惑を解消し大量破壊兵器の廃棄などの国連決議を誠実に履行することによりまして、問題が平和的に解決されるよう関係国が最大限の外交努力を行うことを期待しております。  次に、町村会総会等におきます知事発言についてどのように考えているのかとのお尋ねでございました。  先月、県町村会定期総会の来賓あいさつにおきまして、私は、今回の選挙結果におきまして、小さい町村ほど投票率が高く、人口に反比例した投票率であるという事実を前提としまして、これは県の目配りを期待していただいたものと受けとめて、人口の少ない順に県としての支援を強化したいという趣旨のことを申し上げさしていただきました。これは出席されておりました町村長の皆さんに対しまして、小さい町村ほど大切にしたいという思いをユーモアをもってお話申し上げたところでございまして、従来どおり公平・公正な県政を進める気持ちに全く変わりはございません。  ちなみに4年前の選挙結果におきまして、8つの町村において、役場から3~4キロ範囲内に携帯電話の通じない地域が8つございました。そのうち7つは私が選挙で負けた町村であります。しかしながら、その8つの町村すべてに、1年以内に携帯電話が通じるような措置をとらしていただきました。こういった姿勢は県民の理解しているところと思いますし、この話を申し上げる前提条件といたしましては、当時、市町村合併をめぐって小さい町村をいじめているような、そういった形で受けとめられていたきらいもございましたものですから、小さい町村ほど県の助けを必要とするという認識をこういう話に引っかけて申し上げさしていただいたということでございます。  その意味におきまして、発言の撤回や陳謝をする考えはございませんし、もし新聞記事を読まれて誤解されている方がおられるとするならば、今井議員におかれましても、その誤解を解いていただくようお願い申し上げたいと思います。  また、東予有料道路の無料化の話は、これは質問がある会合でございましたので、合併すれば同じ市内となる、2市2町が合併した場合に同じ市内になる道路でございますので、無料化されるべき性質のものではないかという私の個人的な考えを述べさしていただいたものでございます。  今後は、厳しい財政状況の中にありまして、特に西海有料道路とのバランス等も考慮しながら、議会とも十分に相談をさしていただきながら検討してまいらなければならない事柄と認識いたしております。  次に、光センサー不正入札についての責任をどう感じているのかとのお尋ねでございました。  県は、今回の選果機に関します補助事業者といたしまして、国庫補助事業等の適正化に関する法律に即して事実解明に当たる必要がございまして、JAは、農家組合員の負託にこたえるためにも事実関係を率直に述べるべきであると考えております。  基本的に私は、あらゆる事柄に関しまして、もやもやしたことであるとか、あるいははっきりしないことは大嫌いでもございます。その意味におきまして、今回のケースにつきましては、事実解明ができない場合には司直の介入もあり得べしと思っておりますし、また真相解明を強く求めてもまいりました。  特に今回の再調査に当たりましては、県外メーカーの四国支社長の証言等が報道されたということもございますので、一つの大きなインパクトではございました。それを前提としまして、JAに対しまして、県側の調査に当たる構え、気持ちの持ち方としまして、不正があったとするならばこれを認めて、補助金返還はもとより再発防止策を講じ、農家組合員の負託にこたえるのがJAのあるべき姿であるということが1点、一方におきまして、不正の事実がないのであれば、疑惑を払拭するに足る確かな証拠の提出をしていただき、場合によっては、この報道記事に対します法的な手段を講ずる等によって毅然たる対応を考えるべきこと、この2点を中心に厳しく伝えて臨ましていただきました。その結果、今回、JA幹部の方から事実の全容解明の糸口が開かれたということではございます。  さはさりながら、事実解明に長期間を要しましたことや特に県職員が入札日の書きかえを承知していたこと等、結果として県議会等に事実と異なる報告がなされてまいりましたことに関しまして県の責任は重く、深くおわびを申し上げますとともに、現在、私を含めた関係職員の厳正な処分を検討しているところでございます。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。 ○(金谷裕弘総務部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 金谷総務部長    〔金谷裕弘総務部長登壇〕 ○(金谷裕弘総務部長)今井議員にお答えいたします。  まず、知事の退職金を大幅にカットする考えはないかというお尋ねでございました。  知事の退職手当につきましては、知事等の退職手当に関する条例の規定によりまして、任期満了等の場合に支給するということとされておりまして、その額につきましては、職責及び退職の日における給料並びにその職にあった期間等を考慮してその都度予算で定める額を支給することとされておりまして、具体的な算出方法としては、給料月額に在職月数それから算出率を乗じた額を退職手当といたしております。  この算出率につきましては、全国の状況を見ました場合、算出率が100分の80という団体が21府県と最も多いわけでございますが、今回の知事の退職手当につきましては、本県におきまして、これまで100分の80としておりました算出率を社会経済情勢等を勘案して100分の5引き下げまして100分の75として算出したものでございまして、全国の中で決して高い水準にあるとは言えないというふうに考えております。  続きまして、医療・福祉問題に関連いたしまして、必要となる財源確保にどう取り組むかというお尋ねでございます。  現在県におきましては、行政評価システムの活用などを通じました徹底した事務事業の見直しあるいは日常的な節約などに努めますとともに、県有財産の有効活用を図るなど可能な限りの手段を講じまして貴重な財源を捻出して確保する努力をしておるところでございます。  また、国と地方との役割分担に見合った地方税財源の拡充強化あるいは地方交付税制度の堅持、さらにその交付税の必要所要額の確保につきましても、機会あるごとに知事会等を通じて国に要請をしておるところでございます。  さらに、来年度から新たに政策を評価対象といたしました政策・事務事業評価システムを導入いたしまして、積極的に政策や事業の見直しを進め行政活動の重点化あるいは効率化を進めるなど、今後とも、最小の経費で最大の効果を基本に限られた財源を県民ニーズに即した施策に重点的、効率的に配分してまいりたいと考えておるところでございます。  3点目に、核燃料税の引き上げを求めるというお尋ねでございました。  核燃料税につきましては、安全対策費などの原発立地に伴います特別な財政需要に充てるということで、昭和54年に創設いたしまして5年ごとに更新をいたしているものでございます。平成16年1月に現行の条例が期限切れとなるものでございます。  このため現在、更新に向けまして税率算定の基礎となります財政需要等の調査を行っておるところでございまして、その結果を踏まえ税率等を検討する考えでございます。  以上でございます。 ○(武智勝久県民環境部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 武智県民環境部長    〔武智勝久県民環境部長登壇〕 ○(武智勝久県民環境部長)今井議員にお答えを申し上げます。  使用済み核燃料の処分地の問題等についてのうち、まず、本県での使用済み核燃料の処分地の候補とされたのはどこか、このことについて抗議する考えはないかとのお尋ねでございました。  県といたしましては、報道を受けまして核燃料サイクル機構に確認をいたしましたところ、報告書の細部は県に対しても非公開としておりまして、具体的な候補地は承知をいたしておりません。  しかし、約20年前の初期段階の調査とはいえ、特に情報の透明性が求められます原子力の問題で、最終処分施設建設地選定のための調査が県にも知らされずに実施されたことは残念ではございますが、先ほど菊池議員にお答えをいたしましたとおり、高レベル廃棄物最終処分の概要調査地区の選定に当たりましては、旧動燃の報告書が使用されることはないことから、あえて抗議する必要はないものと、このように考えてございます。  次に、プルサーマル計画の中止を求めるがどうかとのお尋ねでしたが、プルサーマル計画につきましては、電力11社が3つのグループによりまして順次実施する計画となっておりますが、四国電力は最も遅い第3グループとして2010年までに実施をするという計画になってございます。しかしながら、先行の東京電力及び関西電力での実施が不正問題等によりましておくれておりますことから、計画全体がおくれることになるものと、このように考えてございます。  このお話につきましては、昨年9月議会でもお答えをしたとおりでございますが、伊方発電所のプルサーマル計画につきましては四国電力から具体的な話は受けておりませんので、その中止について云々する段階ではないと考えております。現時点ではプルサーマル計画の中止を求めることは考えてございません。  最後に、原子力工学を専攻した専門家の新年度配置見込みはどうかとのお尋ねでした。  原子力安全行政につきましては、今般、東京電力の事故隠しが判明するなど原子力発電所の安全性に対する不安が高まっていることに加えまして、高経年化原子炉への対策など技術的、専門的知識に基づく高度な判断が必要となってきております。  このため県といたしましては、原子力安全対策を専門的、一元的に取り扱う原子力安全対策推進監これを県民環境部環境局に新設をいたしまして、経済産業省から即戦力となる原子力行政の専門家で経験の豊富な職員を受け入れますとともに、県の職員2名を経済産業省原子力安全・保安院及び伊方原子力保安検査官事務所に派遣をいたしまして資質の向上を図ることにいたしておりまして、これらの職員交流を通じまして、県民不安解消と原発事故に係る危機管理体制の充実など原子力安全行政の体制強化を図りたいと考えております。  以上でございます。 ○(今井春雄保健福祉部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 今井保健福祉部長    〔今井春雄保健福祉部長登壇〕 ○(今井春雄保健福祉部長)今井議員にお答えいたします。  医療・福祉問題について多くの質問をちょうだいしておりますが、まず、医療費3割負担実施の凍結を求める声が強まっているが国に凍結を求めるべきではないか。また、仮に実施されれば県民への影響額はどの程度となるかとのお尋ねでございます。  国においては、急速な少子高齢化に対応し、将来にわたり持続可能で安定的な医療保険制度を構築するために、昨年7月の健康保険法等の一部改正によって各制度、各世代を通じた給付と負担の見直し、後期高齢者への施策の重点化等の措置が講じられたところであります。またあわせて、今後の医療保険制度の体系のあり方や新しい高齢者医療制度の創設等について今年度中に基本方針を策定することとされております。  このため当面、今後の推移を見守ることとしまして、直ちに3割負担の凍結を国に求めていくことは考えておりません。  また、4月からの3割負担の実施に係る影響額につきましては、国における試算では、現行制度と比較した場合に、平成15年度で約3,600億円の患者負担が増加する一方、事業主を含めた保険料負担は、医療費縮減効果等から約6,000億円の縮減効果を見込んでおります。これを単純に本県の医療費規模に当てはめますと、約50億円の患者負担増、約83億円の保険料負担減となります。  次に、介護保険制度について、根本的矛盾の改善を図るため国の負担を30%に引き上げることを求める考えはないか。介護保険料の値上げ中止を市町村を応援してすべきではないかとの御質問でございました。  現在国の負担は25%となっておりますが、介護給付費の増加によって地方公共団体の財政負担や被保険者の介護保険料負担もふえておりますことから、県では各県と連携して国の負担増を要望しているところであります。  介護保険制度は40歳以上の方々に納めていただく介護保険料で支えられておりまして、要介護認定者がふえ介護給付費がふえれば市町村が定める介護保険料も引き上げざるを得ないことから、県では市町村に対し、その理由等を住民に周知の上、理解をいただくよう指導しているところでありまして、市町村に対して介護保険料の値上げを中止するための支援を行う考えはございません。  次に、在宅サービス利用料の減免制度の創設やショートステイの緊急用ベッドの確保を進め、在宅で暮らせるような条件整備を図る考えはないかとのお尋ねでございました。  介護サービスの利用増に伴って利用料がふえる応益負担の考え方は、最も国民の理解が得られやすい仕組みとして導入されたものであります。また、利用料が高額になる場合には、上限額を設定して低所得者に配慮していることもありまして、本県独自の減免制度を設けることは適当ではないと考えております。  また、ショートステイにつきましては、在宅生活の継続に不可欠なサービスであり、県としては、平成15年度に実施予定の介護サービス利用実態調査を通じて現状把握に努め、その結果を踏まえて検討してまいりたいと存じます。  次に、地域の実情に合わせた特養ホームの整備を進め入所待ちの解消を図るべきではないか。介護度や緊急性など優先する入所順位の具体的対応はどうかとの御質問でございました。  平成15年度からの第2期介護保険事業支援計画で定める特別養護老人ホームの整備目標は、市町村が待機者の状況など地域の実態を検証の上推計した施設サービスの必要量に基づいて検討を進めておりまして、県としては、順次入所待ちの解消が図られる適正な計画目標が設定できるものと考えております。  また、真に施設入所が必要な要介護者が特別養護老人ホームに優先的に入所できる仕組みを定着させることが重要でありますので、具体的には、先般、県と愛媛県老人福祉施設協議会で策定した優先入所にかかる指針を市町村及び各施設に周知したところであります。各施設では、現在市町村への協議を含め準備を進めておりますが、県では、その徹底を図るために改めて市町村や各施設に対し説明を行うこととしておりまして、円滑な運用が行われるよう指導してまいりたいと存じております。  次に、母子家庭・障害者などの入院給食費の助成について早急な実施を求めるがどうかとの御質問でございました。  母子家庭・障害者などの入院給食費自己負担分に対する県費助成につきましては、入院と在宅等の負担の公平化を図るという入院時食事療養費制度の趣旨や一部負担分に対する公費助成は不適切との厚生事務次官通知も勘案の上、引き続き国や他県の動向などを見きわめながら検討してまいりたいと存じます。  次に、乳幼児医療費無料化の拡大とインフルエンザ予防接種補助について、まず、通院での医療費無料化年齢の引き上げや当面歯科からでの導入を求めるがどうかとの御質問でございました。  通院の助成対象年齢を引き上げることにつきましては、さきの12月議会において佐々木議員にお答えしたとおり、市町村の意向や医療保険制度改革後における県費負担状況及び市町村の財政負担等を総合的に勘案して慎重に検討してまいりたいと存じます。また、歯科の助成対象年齢引き上げについても同様でございます。  最後に、子供のインフルエンザ予防接種への補助を求めるがどうかとのお尋ねでございます。  インフルエンザ予防接種につきましては、65歳以上の高齢者等は予防接種法に基づく定期予防接種の対象者となっておりますが、子供については定期予防接種の対象となっておらず、あくまでも任意の予防接種となっております。任意の予防接種は、個人の健康や生命を守る医療行為でありますことから、受益者負担とならざるを得ないと考えております。  以上でございます。 ○(高須賀功経済労働部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 高須賀経済労働部長    〔高須賀功経済労働部長登壇〕 ○(高須賀功経済労働部長)今井議員にお答えいたします。  景気・雇用対策のうち、中小企業・地域経済振興条例の制定を求めるがどうかとのお尋ねでございます。
     中小企業は地域経済の基盤でございまして、その振興を図ることは極めて重要であることから、県におきましては、既に愛媛県地域産業振興条例を制定しまして、中小企業の地域特性を生かした新製品の開発に要する経費の助成を行うなど企業活動の支援に努めているところでもございます。  また、厳しい環境にある中小企業を支援するため、創造活動促進法や経営革新支援法の制度を活用いたしまして、技術開発や新分野進出などに対する助成、県単融資制度や信用保証などの金融対策の充実強化により、経営の安定と向上にも努めているところでございます。  このほか、地域中小企業の育成支援の観点から、県工事の請負契約において、県産品の優先使用や下請負人の県内企業への優先選定の特約を設けるなど下請事業者の受注の確保にも取り組んでいるところでもございます。  このように、既に中小企業基本法に定めます中小企業支援の基本理念を踏まえ、国・県の役割分担のもと幅広い施策を展開しておりまして、新たな条例の制定については考えておりません。  次に、若者の就職対策の強化を求めるがどうかとのお尋ねでございます。  県におきましては、新規学卒者など若者の就職支援のため、合同就職面接会の開催を初め大学生、高校生等の職場見学会、職業訓練の実施など各種対策に取り組んでいるところでございます。また、県独自に、昨年度から緊急地域雇用支援奨励金を活用しまして、年齢にかかわりなく常用雇用の創出に努めておるところでもございます。  さらに、来年度から新たに、学卒未就職者などの若年者も対象に、職業適性の判断や就職にかかわる悩みなど一人一人の実態に合ったキャリアカウンセリングを行うこととしておりまして、今後とも、関係機関と連携を図りながら若者の就職支援に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。  なお、お話の鳥取県の制度は承知しておりまして、今後の雇用対策を推進する上での参考にしたいと、このように考えております。  次に、新緊急地域雇用創出基金事業の改善を国に求めるとともに、県独自の雇用創出を求めるがどうかとのお尋ねでございます。  新緊急地域雇用創出基金事業につきましては、6カ月間の雇用期間では、森林整備など活用が難しい分野もあるため、国に対しまして要件緩和を要望し雇用期間の更新など一部緩和されたところでもございます。  またこのほか、失業者雇用率、人件費率などの要件につきましても、地域の実情に応じた効果的な雇用対策を実施するためには一層の緩和が必要なことから、さらなる改善につきまして国に要望したい、このように考えております。  なお県では、先ほどもお答えしたとおり、県独自に設けました緊急地域雇用支援奨励金による常用雇用への移行促進を図るなど安定的な雇用の創出に努めているところでございまして、今後ともこれらの施策の円滑な推進に取り組んでまいりたいと、このように考えております。  最後に、パート労働者の雇用と権利を守るため東京都が実施しているパート労働ノートの交付を求めるがどうかとのお尋ねでございます。  お話の東京都が実施しておりますパート労働ノートは、パート労働者みずからが使用者から示された賃金や労働時間等の労働条件等を確認するために記載するものでございます。これら労働条件等につきましては、労働基準法により、使用者は労働者に書面交付により明示することが義務づけられております。またパート労働法により、休職や災害補償等その他の労働条件についても書面交付により明示することが努力義務化されているところでもございます。  このため、労働者がみずからパート労働ノートに労働条件は記入する必要はないと考えておりまして、県においては、パート労働ノートを作成する考えはございません。  しかしながら、パート労働者が働きやすい職場が確保されることは重要でございます。このため、法の規定が遵守されるよう今後とも事業主に対しまして、労働条件の明示について、働く女性のハンドブックや愛媛労働の冊子によりましてさらに啓発に努めてまいりたい、このように思っております。  以上でございます。 ○(市川憲次農林水産部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 市川農林水産部長    〔市川憲次農林水産部長登壇〕 ○(市川憲次農林水産部長)今井議員にお答えいたします。  光センサー不正入札問題につきまして、3点お答えさしていただきます。  まず、補助金適正化法に基づく処罰を求め、前JA西宇和組合長らを告発すべきではないかとのお尋ねでございました。  この問題につきましては、JA西宇和幹部らの証言によりまして補助金の不正取得の事実がほぼ明らかとなりました。  知事から先ほど答弁ございましたんですが、これまでの長期にわたって調査をしてきたわけでございますが、事実の解明をなし得なかったこと、そしてまた、この議場におきまして、私自身が、事業が適正に執行されたという報告をさしていただいたこともございまして、調査を担当してまいりました農林水産部とりわけ農林水産部長の責任は重大と考えております。この場をおかりして心からおわびを申し上げます。  このたびの組合長らの行為につきましては、かんきつ農家及び県民に対する重大な背信行為でありまして、補助金適正化法29条・補助金の不正取得に違反するものと考えております。  補助金の返還はこれは当然でございますけれども、県が告発するかどうかにつきましては、補助金の不正取得に至った動機や背景、責任の所在などにつきましてさらに具体的に検証する必要があると考えておりまして、いましばらく時間をちょうだいしたいと、こんなふうに思っております。  次に、川上選果場だけではなく他の選果場でも入札に関して疑惑が持たれているが、すべてを洗い直す考えはないかとのお尋ねでございます。  県下の光センサー選果機は、平成10年度以降これまでに19地区で導入されております。それぞれ導入年度の事業が完了した時点で検査を行いますとともに、昨年5月、6月には、これら全地区を対象に再調査を実施いたしておりますが、今回のJA西宇和の不正入札の経緯を踏まえまして、改めての調査を考えてみたいと思っております。  もう1点、補助金返還などの農家の被害を食いとめるためにどう取り組むのかとのお尋ねでございました。  今回の不正入札に伴う補助金の返還額につきましては、事実関係や責任の所在等を明確にしました上で国に報告し、協議して決まるものでございます。  この返還金は、補助金交付要綱により補助金の交付を受けたJAが負担することになりますが、負担の方法など具体的な取り扱いにつきましては、役員の損害賠償責任を含めまして、まずは農家、組合員の理解と合意が得られる方策をJA内部において検討していただかなければならないと思っております。  県といたしましては、この処理が円滑に進められますよう系統組織と連携しながらJA西宇和を指導いたしますとともに、国に対しましては、産地や農家の実情について理解が得られるよう努めてまいりたい、こんなふうに思っております。  以上でございます。 ○(柳澤正三議長) しばらくお待ちいただきます。 ○(今井久代議員) 議長 ○(柳澤正三議長) 今井久代議員    〔今井久代議員登壇〕 ○(今井久代議員) 再質問を行います。  項目は2の(2)、先ほど部長から補助金適正化法に基づく処罰の問題で御答弁をいただきましたけれども、今まで疑惑解明に1年近くの時間を要しております。動機や背景そして責任の所在について検証をする必要があるので、いましばらく時間が欲しいと、こういう御答弁がございましたが、私は、本当に急いでこの問題について真相の解明を図るべきだというふうに考えるものであります。あと光センサーの導入を予定しているJAもございますので、補助金導入に向けて、この問題についての解決が遅くなれば遅くなるだけ、愛媛県の農業行政に大きな支障をもたらす、そのように考えるものであります。  いましばらく時間が欲しいという御答弁でありましたけれども、いつぐらいを目途に調査をされ県民の前に明らかにされるお考えなのか、この点についてはっきりとお答えをいただきたいと思います。  以上です。 ○(市川憲次農林水産部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 市川農林水産部長    〔市川憲次農林水産部長登壇〕 ○(市川憲次農林水産部長)今井議員の再質問にお答えいたします。  いましばらく時間をということに対しまして、いつぐらいかという趣旨であったかと思います。  このたびの再調査の結果からは、地元の川上共選役員が県内メーカーの機種導入を強く望んでおりまして、前組合長らで構成する建設委員会では、この共選の意向に沿った形で高額落札に至った経過が見られております。  最終的な責任は、入札執行責任者たる前組合長にあると考えておりますけれども、県が告発するにつきましては、その動機や背景、また責任の所在やその範囲等につきまして具体的な検証が必要と考えておりまして、その意味でいましばらく時間をちょうだいしたいと、こんなふうにお答えした次第でございます。  なお、このたびの不正事件につきましては国へも報告しなければなりませんが、その際には、国からも厳しい指摘や指導があるものと思慮いたしております。これらの点も踏まえまして判断しなければならないと、こんなふうに思っております。  以上でございます。 ○(柳澤正三議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午後0時9分 休憩     ――――――――――――――――      午後1時1分 再開 ○(柳澤正三議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(戒能潤之介議員) 議長 ○(柳澤正三議長) 戒能潤之介議員    〔戒能潤之介議員登壇〕 ○(戒能潤之介議員)(拍手)自由民主党の戒能潤之介です。  今任期最後の議会に登壇させていただくに当たり、長いようでもあり短いようでもあったこの4年間を振り返りながら、県民の負託を受けた議会人として、是は是、非は非という姿勢、そして、この混沌とした21世紀の今こそ、何事にもチャレンジしていくという思いを新たに自覚しながら質問に入らせていただきます。理事者の皆様方の明快な御答弁をよろしくお願いいたします。  平成13年2月10日、あの悲しいえひめ丸の事故から、はや2年が過ぎました。その間に、新えひめ丸も完成、就航し、被害者や県の賠償交渉はすべての和解が成立し終了しました。ある意味では、一区切りついたような感はいたしますが、しかし、このことによって事故が風化し、県民の記憶から遠ざかっていくことだけはあってはならないと強く感じております。  事故後、犠牲になられた方々への追悼の気持ちを込め、そして、御遺族や関係者を励ますため、また海の安全を願いつつ、愛媛とアメリカの間でさまざまな民間交流が行われています。  平成13年4月12日には、アメリカ・カリフォルニア州ギルロイ市の高校コーラス部員が愛媛県庁を訪れ鎮魂歌をささげました。また、同年6月7日には、ハワイ州知事とともにホノルル市の小学生が宇和島市を訪問し、事故を受けてつくられた曲などを含め心のこもった歌声を響かせてくれました。平成14年6月9日には、ホノルルのカカアコ海浜公園に建立された慰霊碑の前で宇和島の牛鬼が披露されました。その際には、宇和島市内の小学生がつくった千羽鶴も牛鬼とともに海を渡り、ハワイの小学生にプレゼントされました。その後、ホノルルのイベント「まつりインハワイ」においては、ハワイの高校生も牛鬼の担ぎ手として参加し、その勇壮な練を披露したそうであります。  そして、11月29、30日には、ハワイの小中学生が松山と宇和島を訪れ、愛媛の子供たちと交流野球大会を行いました。この大会は、私が実行委員長としてボランティアスタッフの方々とともに立ち上げさせていただきました。  この経緯を詳しく説明させていただきますと、3年前にさかのぼります。平成12年に、当時大リーグニューヨークメッツのボビー・バレンタイン監督に愛媛にお越しをいただき、坊っちゃんスタジアムで少年野球教室を開催いたしました。それ以後、監督とメールをやり取りしながら、野球を通じてアメリカと愛媛の交流ができないだろうかという話をしていたわけですが、えひめ丸の事故を受けて犠牲になられた方々への追悼の気持ちと両国の友好を深めるため、愛媛とハワイの子供たちの交流野球大会を開催しようということになったのであります。  29日には坊っちゃんスタジアムで交流野球大会を行い、翌30日には、バレンタイン氏を初め、ハワイ州政府関係者や選手とその家族総勢75名の方々が、宇和島水産高校内の慰霊碑に献花し追悼の式典を挙行させていただきました。宇和島水産高校へのハワイからの正式な訪問はこれが初めてのことであり、えひめ丸事故後の遺族との和解交渉等に御尽力されたハワイ州日米協会会長アール大川氏の訪問にも、参列された遺族の方々は大変感激していらっしゃいました。  ハワイチームの選手たちは、来県する前にも現地のえひめ丸慰霊碑を訪れ献花を行いました。宇和島の慰霊碑には、ハワイから空輸した生花を献花してくださり、供えられた日本の白菊とハワイの真っ赤なアンスリウムが印象深く目に焼きついております。その後、雨の中、宇和島でも白熱した野球の試合が行われ、同時にバレンタイン氏には、少年たちに熱心に野球の指導をしていただきました。遺族の方々にも大会の趣旨を御理解いただき、協賛金とミカン3箱、またハワイの選手たちには牛鬼のTシャツのプレゼントまでしていただきました。言葉の壁を全く感じさせず、すぐに打ち解け合う子供たちの姿を見て、遺族代表の水口龍吉さんは、元気がわいてきました。ぜひ来年以降も続けてほしいとおっしゃってくださいました。短い準備期間の中で初めての大会をどう成功させるか、試行錯誤、東奔西走の日々でありましたが、大会終了後は、本当に意義深い心に響く大会になったとスタッフ一同感激に浸りました。  最後に、ハワイの方々に催していただいたパーティーの席上で、団の代表としてお越しをいただいた当時ハワイ州政府産業経済開発観光庁長官納谷誠二氏を初め、上院・下院議員の方々から、当時のハワイ州知事カエタノ氏の次のようなメッセージをいただきました。  私たちは、交流試合に参加いたしますことを深く光栄に思っております。また、あなた方の親切な御招待に感謝いたしております。ハワイの人々は、若い選手同士のこの交流試合を、不幸にも発生した悲劇的な出来事の犠牲者を追悼する機会であると考えております。ハワイの野球選手たちは、愛媛の若い人たちにお会いし、アロハ、これはハワイ語における愛という意味ですが、をともに分かり合うことを心待ちにしております。思い出に残る試合となり、アロハと日米両国の結束が続きますことを祈念いたしております。  また、納谷長官は、松山空港をたたれる際、私どもに対し、来年は愛媛の子供たちをハワイに招待する準備を進めています。野球だけでなく文化や教育の交流も発展させていきたいと考えていますと述べられ、愛媛とハワイの永続的な関係を築いていきたい思いを話されました。  事故で結ばれた縁とはいえ、そのことを前向きにとらえ、お互いの州・県同士でスポーツや文化のみならず経済や観光、教育等さまざまな分野での交流を広げていこうとのハワイの方々の温かい気持ちに接し、今こそ、その気持ちにこたえるときではないかと思うのであります。水口さんからも、ぜひそうなるといいですねという励ましの言葉をいただき、必ずやそうした活動が両地域にとってよい刺激となり、交流と友好、そして発展につながっていくものと確信をいたしております。  そこでお伺いいたします。  県として、ハワイ州との姉妹交流に取り組んではどうかと考えますが、知事はどのようにお考えかお聞かせください。  次に、高度情報化の推進について数点お伺いいたします。  昨年の秋に開催されました加戸知事を囲む会において、知事は、21世紀の前半において、日本に必要なインフラは何なのか。私は3つを挙げたいとされ、情報ネットワーク、高速道路ネットワーク、そして愛と心のネットワークの3つのネットワーク構築の必要性を語られました。そして、その中でも特に、情報ネットワークが21世紀において一番必要なものであり、愛媛も高度情報通信ネットワークの先進県であらねばならないと思っている。情報ネットワークが構築されているかどうかが発展のかぎを握ると、高度情報化の重要性を強調されたのであります。  また、世界的企業である松下電器産業の中村社長は、年初の経営方針発表の場において、グローバルでナンバーワンの存在へと飛躍するため、軽くて速い松下を目指す。その実現のためには、ITは重要なインフラとなる旨の発言をされたそうであります。  このような話に接するとき、今日、行政においても企業においても、そして地域社会においても、高度情報通信技術をいかに適切に導入し、みずからの成長と発展の基盤に生かしていくかが、欠くことのできない重要課題となっていることを痛感するのであります。  振り返ってみますと、4年前の平成11年、本県には役場周辺でさえも携帯電話が利用できない町村が残っておりました。  知事は、そのような情報通信の後進性を憂慮され、就任後、直ちに携帯電話の不通地域の解消に取り組まれるとともに、平成12年を愛媛県の高度情報化元年と位置づけて、全県をネットワークする情報スーパーハイウェイと、県の各機関を結ぶ庁内LANを構築されるなど、非常に短期間の中で基幹的な情報通信基盤を整備され、これを基礎にし各分野の情報化を強力に推進してこられたのであります。  私は、このような知事の高度情報化への精力的な取り組みを高く評価するものでありますが、一方で、合併により広域化が進行する市町村においては、情報化計画の策定に対する取り組みを初めとして、個々の市町村によって情報化への取り組み姿勢に大きな温度差があり、また、地域、県民生活を取り巻く情報化の現状をみますと、依然として地理的条件による情報格差が残るなど地域間でのアンバランスが解消されていないのが現状であります。  もちろん情報化に関する基盤整備については、すべての役割を行政が担うわけではありません。民間からの投資がなければその整備が実現しないということは十分理解しておりますが、いかんせん民間の投資は採算性が重要視されます。当然の話であってそのことを非難することはできませんが、その結果として、申し上げたような地理的条件による格差が生じるのであって、これを解消することに関しては、行政が担うべき役割があると思うのであります。こうした役割を果たすためにも、県における今後の高度情報化施策の展開に当たっては、これまで以上に県民や市町村に目線を合わせたさらなる指導・支援を行っていただき、県内全域で格差のない高度情報化が推進されることを期待するものであります。  そこでお伺いします。  まず第1点は、現行の愛媛県高度情報化計画が本年度で満了しますが、計画の達成度などどのように評価されているのか。  2点目は、現在、第二次計画を策定中であると聞いておりますが、第2期加戸県政では、高度情報化の推進にどのように取り組まれるのか、お伺いしたいのであります。  情報化に関する質問の第3点目は、電子県庁の実現に向けた取り組みについてであります。  現在、国においては、平成15年度の完成を目標に、民間と行政機関との間の手続がインターネットを利用してペーパーレスで行える電子政府の構築に向け、各種システムの整備や制度的な課題の検討が急ピッチで進められており、国土交通省、経済産業省、総務省においては、既にオンラインによる申請・届出等の受け付けが先行的に開始されていると聞いております。  また、前国会においては、行政手続のオンライン化を法的に後押しする、いわゆる行政手続のオンライン化三法が成立し、オンラインによる手続を従来の書面による手続と同等に取り扱うための制度的な環境整備が大きく前進しました。これによりかつてミレニアム・プロジェクトによって打ち出されたe-Japan重点計画において平成15年度中の実現がうたわれた電子政府・電子自治体が、いよいよ現実味を帯びたものとなってきております。  本県におきましても、平成13年度から運用を開始した庁内LAN及び愛媛情報スーパーハイウェイを有効に活用して、電子県庁の構築に向けたさまざまな取り組みが進められていることと存じます。その中でも、県民や企業からの各種申請・届出等の手続がインターネットを利用してオンラインで行える電子申請システムは、いつでも好きなときに自宅や職場のパソコンから申請・届出等を行うことができるため、手続に際して県の窓口に足を運ぶ必要がなくなるなど、県民や事業者の利便性を飛躍的に高めるものであり、電子県庁の基幹システムとして早期の導入が不可欠であると認識しております。  また、このシステムの効果は、単に手続そのものが電子化するだけにとどまらず、これを契機に、ITを利用して県の内部業務の改革を推し進め、より一層の効率化を図ることをも可能にするものであると考えております。ただしこうしたシステムにおいては、申請者等の個人情報に関するデータがインターネットを通じて送受信されることになるわけですから、どうしてもセキュリティの確保に向けた対応が最も重要な課題になります。  私が申すまでもなく、県において最新の技術を用いた万全のセキュリティ対策を講じられていることとは存じますが、情報分野の技術は日進月歩で開発が進んでおります。構築時には万全であったはずの対策が過去の遺物になるのにさほどの時間を要しないのが、この分野における技術開発の常であります。さらに、技術面だけではなく、送られたデータを現実に取り扱う際の運用面の対策についてもさまざまな検討が必要であります。そうしたセキュリティ対策に対して、利用する県民の信頼が得られなければこのシステムは成り立たないのであります。  そこでお伺いします。  電子県庁の構築に向け、その基幹システムである電子申請システム等の整備について、現状と今後の取り組み予定はどのようになっているのか、セキュリティ対策を含め、お伺いしたいのであります。  次に、企業の誘致についてお尋ねいたします。  現在、我が国は未曾有のデフレ不況の中にあり、いまだに回復の兆しすら見えず、企業倒産は高水準にあるほか大企業による大量リストラも後を絶ちません。本県でも、直近の完全失業率は5.0%、有効求人倍率は0.64倍と雇用情勢はまことに厳しいものがございます。  このような状況の中、昨年末、情報通信関連企業のコーポレイトソフトウェア株式会社が松山市に立地するとのニュースが大々的に報じられたのであります。本年6月に業務が開始される同社の松山サポートセンターでは、年末までに200人もの新規地元雇用が予定されているとのことであり、暗い話題の多い中にあって久々に明るい話題となりました。  聞くところでは、今回の立地は、国内10数カ所との誘致合戦の中、県が松山市を初め関係機関等と連携しながら立地要請や企業のニーズに合った対応策を講じてきたほか、知事みずからもトップセールスに出向くなど、熱心な誘致活動が功を奏し実現したとのことでありますが、改めてこれまでの県の積極的な取り組みに対し、深く敬意を表したいと思うのであります。  既にスタッフ募集は始まり、1,000人をはるかに超える応募があったと聞いております。私は、この数字から、県民の皆さんがいかにこのような企業の立地を待ち望んでいたかを痛感するとともに、企業誘致が地域経済の活性化と雇用の確保を図る上で、いかに重要であるかを再認識いたしました。特に、今回誘致に成功した情報通信関連企業は、FA化し人手を要しない製造業に比べると労働集約型で、若年者を中心に多くの雇用を生み、しかもIT化の進展に伴って、今後も大いに発展が期待できる業種であります。加えて、コストが低く人材確保の容易な地方への展開を進めております。今後も、地方の自治体間で熾烈な誘致合戦が予想されるところであります。
     県におかれましては、企業誘致体制の強化を図るとともに、機動的な優遇措置の拡充と適用や立地環境の整備などに全力を挙げていただき、第2、第3のコーポレイトソフトウェア株式会社の誘致を実現していただきますよう切にお願いする次第であります。  そこでお尋ねいたします。  厳しい自治体間の競争が予想される情報通信関連企業の誘致に、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお聞かせ願いたいのであります。  次に、地球温暖化防止対策についてお尋ねをいたします。  21世紀の環境問題は、近年の石油や石炭などの化石燃料の大量消費による地球の温暖化問題や冷蔵庫やエアコンなどに冷媒として使用されていたフロン類によるオゾン層の破壊など、地球規模での新たな問題が生じております。特に地球の温暖化は、人類だけでなく地球上すべての生物の生存基盤を脅かす非常に深刻な問題となっており、世界中のすべての人々が世代を超えて取り組まなければならない課題であります。  このため、平成9年12月に地球温暖化防止京都会議が開催され、先進国に対する二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量削減目標を定めた京都議定書が採択され、我が国も昨年6月にこの議定書を批准したのであります。これを受けて国においては、我が国の削減目標である6%削減を達成するため、地球温暖化対策推進法の改正や排出量取引などの国内における制度づくりを進めていると聞いております。  一方、県におかれましても、昨年3月に京都議定書と同じ6%の削減目標を掲げた愛媛県地球温暖化防止指針を新たに策定され、県民、事業者、行政が一体となって、県内での温暖化防止に積極的に取り組む姿勢を示されていることに敬意を表するものであります。  言うまでもなくこの6%削減目標を達成するためには、県民の一人一人が環境に対する意識を持って、それぞれの活動や生活の中で、環境に優しい行動を継続して実践していくことが不可欠であり、こうした行動を根づかせるために、県におかれましても、啓発ビデオやパンフレットの作成などさまざまな方法で県民に対する意識の啓発に努めておられますが、地球温暖化防止対策を理解してもらうために最も効果的な対策は、何と言っても現実の体験を通じた啓発を実施することだと思うのであります。その意味において、現在、県がこどもの城の中に建設を進めているさまざまな温暖化防止技術を取り入れた体験型の環境学習施設、通称エコ・ハウスは、今後の環境問題に関する意識啓発を行う上で極めて重要な役割を担うと考えるのであります。  そこでお伺いします。  このエコ・ハウスには、地球温暖化対策を体験できるどのような設備等が整備されているのか。また、今後この施設をどのように活用していくのかお聞かせ願いたいのであります。  最後に、救急医療体制における脳卒中の診断・治療体制の充実整備についてお伺いします。  脳卒中という病気を身近に感じられたことのない方はほとんどいらっしゃらないと思います。私も、過去に身近な方々が脳卒中で倒れられ亡くなられたり、あるいはさまざまな後遺症で本人や御家族の方々がリハビリや介護等に御苦労されている生活ぶりを幾度となくお聞きしてきました。そして、次第に脳卒中の診断・治療の現状、特に脳卒中の中でもその約70%を占める脳梗塞に興味を持ち、私の知人であります脳卒中専門医の先生にお話をお伺いしたところ、愛媛県下では、脳出血、くも膜下出血に対する治療は十分になされていますが、逆に脳梗塞は、年間約2,600名も発症しているにもかかわらず、まだ、その治療体制が全国的にも十分とは思えませんでした。  そもそも脳梗塞は、脳血管の閉塞により酸素やブドウ糖の供給が絶たれた脳組織が死んでいく病気であり、この脳組織が運動・感覚・言語・意識・記憶・視覚・聴覚といった機能を有する部位であると後遺症が残存します。現在の最先端医学においても、一度脳梗塞に陥った脳神経細胞は蘇生し得ないとされています。しかし、発症後、急性期、これはおよそ3時間以内に治療を完了することを意味しますが、においてのみ後遺症を残すことなく回復する可能性があります。この事実がどれほど県民の方に認知されているでしょうか。そして、そのための治療法は、ラクナ梗塞に適している内科的治療とアテローム性脳梗塞及び心原性脳梗塞に適する血栓の溶解、つまり詰まった血栓を溶かして通るようにする治療の2種類に分類されます。  愛媛県下で2001年度に急性期血栓溶解療法がなされたのは、全脳梗塞患者の約1.5%約35例と伺っております。その原因は、発症後3時間以内に来院した症例が1割程度と極めて少なかったこと、また、急性期血栓溶解療法のために24時間365日体制で整備された病院が県下にはないことにあるそうです。この現状は全国的に同様で、血栓溶解療法が全く行われていない県もあります。それからすると愛媛は進んでいる方ではあります。しかし、愛媛県を脳卒中治療の先進県としていくためには、さらに力を入れていく必要があるのではないでしょうか。  県下で血栓溶解療法がなされた患者さんは、偶然、診断、治療ができる時間帯に特定の病院に来院されたため治療が可能であったのでありますが、これらの病院でも24時間365日、即座にその体制がとられているわけではありません。急性期における脳梗塞治療を行うためには、血栓溶解をすべきかどうか数分でわかるMRIが24時間稼働していることとあわせて、医師、検査技師、看護師のスタッフが必要となりますが、その整備と県民の方の脳梗塞治療に対する認識の改革によって、県下の脳梗塞患者の約3分の1に当たる毎年1,000人程度の片麻痺、言語障害、寝たきりといった後遺症を残す脳梗塞患者の多くを救うことができるかもしれないのであります。後遺症により障害が残ってしまった方々に必要となる医療費が減少することを考えれば、施設整備によって医療財政がどれほど改善されるかは容易に計算できると思います。  幸いなことに、今、愛媛県下では救急医療体制を整備していく中で、既に24時間体制で県下、東、中、南予の救命救急センターでその体制をとっており、脳卒中の診断・治療に熱心に取り組んでこられておりますが、今後、さらに急性期脳梗塞治療を充実させるために、迅速な患者の搬送体制、急性期診断体制、急性期治療体制、急性期看護体制、早期リハビリ体制を大いに拡充していく必要性があると考えます。県下において、毎日10名前後の方が脳卒中、脳梗塞を発症していることを考えると、県民医療福祉向上のためにも、より一層の充実を図っていくべき問題と考えます。  そこでお伺いします。  今後、救急医療体制を整備していく中で、急性期における脳卒中に対する診断、治療体制を長期的な医療財政を考えてもより充実させるべきと考えますが、今後の県の方針をお聞かせください。  また、脳卒中の最大の治療は発症しないための予防であります。それに関する情報を広く提供することで、1人でも多くの県民を脳卒中から救っていただきたい。さらに、不幸にして発症した方々に対しては、治療後のリハビリを含めた万全のアフターケアを実施できる体制をぜひとも充実させていただきたいと思うのであります。  そこでお伺いします。  脳卒中の予防についての啓発や教育を充実するとともに、リハビリテーションの支援体制を強化するべきと考えますが、御所見をお聞かせください。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(柳澤正三議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(柳澤正三議長) 加戸知事    〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 戒能議員の質問に答弁さしていただきます。  まず、県としてハワイ州との姉妹交流に取り組んではどうかとのお尋ねでございました。  えひめ丸の事故は、本県にとって忘れることのできない悲しい出来事ではございましたが、この事故を契機としてハワイの皆さんには、被害関係者の救助であるとか、あるいは援助、そして慰霊碑の建立、管理などを通じて本当に温かい御支援をいただきましたし、特に、カエタノ前州知事には州立の公園でありますカカアコ臨海公園という最適な場所を慰霊碑の建立地に提供していただいたことに感謝申し上げております。また、戒能議員みずからが関係されましたハワイとの間の野球交流試合を初めといたしまして、お話のような青少年同士の友情や市民レベルの交流が芽生えましたことは、大変ありがたく感謝の気持ちでいっぱいでございます。  このような友好の機運を姉妹交流に発展させてはどうかというお話は、去る2月10日、現地での慰霊祭に出席しました前田副知事に対しましても、慰霊碑管理協会や州議会の関係者などからも、積極的な意向が示されたところでございます。  ハワイとの縁はえひめ丸の不幸な出来事に端を発したものではございますが、これを乗り越え姉妹交流という形で新しい友好関係を築いてまいりますことは、事故の記憶を風化させないためにも大変有意義なことではないかと考えております。  本県にとりましては、外国との関係で経済文化交流等の実績はさまざまございますけれども、姉妹交流は、本県ではかつてまだ経験をしていないわけでもございます。また、ハワイ州との姉妹交流関係を結んでおります日本の府県は、いずれもハワイ州に多数の日系移民を出した県等でございますので、今までの形とはいささか趣を異にすることにはなろうかと思いますけれども、今後、ハワイ州政府や州議会等、ハワイ州側の意向を改めて確認しました上で、えひめ丸事故関係者の御意見あるいは県民各界各層の御意見も承りながら、議員各位の御意向も踏まえまして、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、高度情報化の推進に関しまして、そのうち第2期加戸県政では、高度情報化の推進にどのように取り組むのかとのお尋ねでございました。  第2期目の県政を担うに当たりまして、元気創造をキーワードに各種施策を展開することを述べてまいりましたが、その中でも、情報通信ネットワークの充実は、交通ネットワークと並ぶ「元気の基盤づくり」の重要な柱と位置づけておりまして、県内各域で格差のない高度情報化を推進いたしますためには、今後はさらに、県民や市町村レベルでの情報化施策を積極的に展開する必要があると認識いたしております。  具体的には、県民インターネット利用環境の向上によります情報の地域間格差の是正と全県をネットワークする愛媛情報スーパーハイウェイの充実、そして市町村の公共ネットワーク整備によります電子自治体の構築とが喫緊の課題であると考えております。  第二次計画案の検討を行っております愛媛県高度情報化計画検討委員会でも、これらの2点を重点方針とする最終報告書案がまとまりつつありますので、非常に厳しい財政状況の中ではございますけれども、委員会の答申を受けて、今後とも本県の高度情報化を一層推進してまいりたいと考えております。  次に、知事は、情報通信関連企業の誘致に今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。  戒能議員お話がございましたとおり、今回立地しましたコーポレイトソフトウェア社は200名の新規採用に対しまして、県内で1,300名を超える応募者がございまして、既に120名程度の採用が内定しているとのことでございます。  このように情報通信関連企業は、労働集約型でございまして、若者を中心とした雇用効果が極めて高いわけでもありますし、また、IT人材の育成にもつながりますなど、地域経済の活性化と雇用の確保を図ります上で、重点的に誘致を進めていかなければならない業種であると考えております。  しかしながら、このような情報通信関連企業は各県がこぞって誘致を目指しておりますほか、多くの優秀なIT人材の供給が可能かどうか、また、交通至便な場所に、一定規模以上で、しかも高度な情報通信機能を備えたオフィスが確保されているかどうかなど、誘致に当たりまして解決しなければならない課題も多いのが現状でございます。  このため県といたしましても、これらのことを踏まえながら、えひめ産業振興財団を初め大学・専門学校等とも連携をいたしながらIT人材の育成・確保対策の拡充、企業が入居しやすいオフィスビル等を確保するため、関係市町村や民間との連携の強化を図ってまいりますなど、情報通信関連企業が立地しやすい環境整備に努めますとともに、企業立地推進体制を強化して、立地優遇制度をフルに活用しながら、今後とも積極的な誘致活動を展開してまいりたいと思っております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。 ○(金谷裕弘総務部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 金谷総務部長    〔金谷裕弘総務部長登壇〕 ○(金谷裕弘総務部長)戒能議員からの御質問にお答えさしていただきたいと思います。  高度情報化の推進についての関連で、電子県庁の構築に向けた電子申請システム等の整備の現状と今後の取り組みについてのお尋ねでございます。  電子申請システムにつきましては、現在、電子県庁の中核システムとして、詳細設計を進めております。平成15年度からシステムの開発に着手いたしまして、まずは、厳密な本人確認あるいは手数料納付といったものを要しない届出型の手続を中心といたしまして、15年度内に運用開始を目指したいと存じます。その後、現在、国主導で整備が進められております公的個人認証サービスといったものの進捗状況を見ながら、許認可等、許可証等の発行とか、そういったものを要します申請型の手続につきましても、順次、対象に加え充実してまいる予定でございます。  それと関連いたしまして、電子申請で受け付けました電子文書につきまして、その内部処理に対応するとともに、庁内業務の効率化・迅速化を図るということで、文書管理・電子決裁システムの開発を現在先行して進めておるところでございまして、これにつきましては、平成15年度当初から本庁において導入し、職員への周知・研修期間を経た後、8月ごろから本格的に運用に移行してまいりたいというふうに考えております。  また、お尋ねございましたシステムのセキュリティ対策につきましては、総務省の基本仕様が出ておりまして、それに基づきまして、通信経路の暗号化あるいはファイアウォールの設置等によりまして、通信内容あるいは内部システムの安全性を確保いたしますとともに、愛媛県情報セキュリティポリシーに基づきまして適切な運用管理を行い、万全の対策を講ずることといたしております。  以上でございます。 ○(三好大三郎企画情報部次長) 議長 ○(柳澤正三議長) 三好企画情報部次長    〔三好大三郎企画情報部次長登壇〕 ○(三好大三郎企画情報部次長) 戒能議員にお答えいたします。  高度情報化の推進について、現行の愛媛県高度情報化計画をどのように評価しているのかという御質問でございました。  平成12年に策定いたしました愛媛県高度情報化計画では、本県の高度情報化の後進性を脱却するため、愛媛情報スーパーハイウェイを初めとする情報通信の基盤整備、それと医療、教育、産業など各分野におきます利用システムの開発、導入を進めてきたところでございます。  現在、愛媛情報スーパーハイウェイは、県内の2,200を超える機関・団体が接続・利用しておりまして、庁内LANにつきましても職員1人1台の端末整備を完了し、行政事務の効率化に役立てておるところでございます。そのほか、計画で予定しておりました36システム中34のシステムが稼働中あるいは近々稼働の予定になっております。  また、お話がございました携帯電話の不通地域の解消に加えまして、CATVの整備の促進、高度情報化推進本部など庁内外の推進組織の設立、それから、IT講習等による県民の情報利活用能力の向上などにも取り組んできたところでございまして、計画の達成度、それと各種システムの利用状況ともにおおむね満足できるものと評価しております。  以上でございます。 ○(武智勝久県民環境部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 武智県民環境部長    〔武智勝久県民環境部長登壇〕 ○(武智勝久県民環境部長)戒能議員にお答えを申し上げます。  エコ・ハウスの整備概要はどうか。また、今後この施設をどのように活用するのかとのお尋ねでございました。  現在、えひめこどもの城内に建設を進めております体験型環境学習センター、通称エコ・ハウスでございますが、ここには間伐材やリサイクル資材を積極的に利用した延べ面積約330平方メートルの木造平屋の建物で、親子エコライフ室、エコ活動支援室、エコ製品展示コーナー等を設けておりまして、本年4月中のオープンを目指しているところでございます。  この施設には、住宅や事務所等に導入が可能な地球温暖化の防止技術でございます太陽光発電システム、太陽熱利用システム、雨水循環利用設備などの仕様を取り入れますとともに、子供向け設備といたしまして風力発電設備なども導入をいたしており、県民の方々に、これらの設備や技術を身近に体験していただくことによりまして、家庭や事業所などへの普及と地球温暖化防止意識の高揚が図られるものと期待をしておるところでございます。  さらに、このエコ・ハウスでは、地球温暖化防止技術の体験等だけでなく、エコライフ全般に関する知識の普及や県民の環境学習の推進を図りますため、これまで、女性総合センター内で実施をしておりましたエコライフサポートルームの事業を引き継いで推進することといたしておりまして、当面、環境指導者の育成や周辺の自然環境を利用した環境学習、ミニ環境講座の開催など各種事業を実施いたしますとともに、小中学校の環境学習や環境NGOなど環境グループの交流の場としても提供するなど、県民の環境学習の拠点施設といたしまして多面的な活用促進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(今井春雄保健福祉部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 今井保健福祉部長    〔今井春雄保健福祉部長登壇〕 ○(今井春雄保健福祉部長)戒能議員にお答えします。  脳卒中の診断、治療体制の充実整備について、まず、急性期における脳卒中に対する診断、治療体制を今後充実させるべきと考えるがどうかとのお尋ねでございました。  脳卒中は、寝たきりや要介護状態の要因の一つになっておりまして、国では、豊かで活力ある長寿社会の創造を目指して、平成13年からメディカル・フロンティア戦略を推進し、脳卒中についても、平成17年までに死亡率の25%低減を目標に早期治療体制の整備を促進しているところであります。  本県におきましても、高齢化が進んでいるということもありまして、脳血管疾患による死亡率は、人口10万人当たり126.4人と全国の105.5人を上回っておりますことから、これまでにも救命救急センターにおける脳卒中専門医師の確保、病院群輪番制病院における医療機器の整備などに取り組んできたところであります。  お話の血栓溶解療法は、現在、厚生労働省において、その有効性や安全性の研究が進められていると聞いておりますが、この治療法の適切な活用も含めて、今後とも、メディカルコントロール体制の構築など救急医療体制の整備・充実を図り、脳卒中を原因とする死亡や後遺症の減少に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、脳卒中の予防についての啓発や教育を充実するとともに、リハビリテーションの支援体制を強化すべきと思うがどうかとの御質問でございます。  県では、県民の健康づくり計画である健康実現えひめ2010に脳卒中死亡率及び受療率の減少を目標に掲げ、ホームページ等を活用した情報提供や各種啓発活動、市町村で実施する健康教育等への支援など、特に発症予防に重点を置いた対策を進めております。  また、平成2年度から医療機関の協力を得て脳卒中登録情報システムを運用しまして、患者の発生やケアの状況等を把握いたしますとともに、地域ケアを実施し、地域レベルの脳卒中対策を推進しているところであります。  さらに、発症された方の退院後の支援対策として、保健所と市町村が協力して訪問指導や機能訓練等を行いますとともに、平成14年度には県下6圏域すべてに地域リハビリテーション広域支援センターを指定するなど、リハビリテーションの支援体制を整備したところであります。  今後とも、予防から治療、リハビリテーションまでの一貫した地域ケア体制の充実に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○(柳澤正三議長) 暫時休憩いたします。      午後1時48分 休憩    ――――――――――――――――      午後2時2分 再開 ○(柳澤正三議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(岡野辰哉議員) 議長 ○(柳澤正三議長) 岡野辰哉議員    〔岡野辰哉議員登壇〕 ○(岡野辰哉議員)(拍手)久々の登壇でございます。  県政改革クラブの岡野辰哉でございます。  今回、ここで質問するのが最後になるかもしれませんので、(笑声)精いっぱい質問さしていただきます。  まず初めに、市町村合併の推進のあり方についてお伺いします。  言うまでもなく地方交付税交付金は国民の血税で賄われております。より効率のいい運営が求められているのは当然であります。近隣のどの市町村も同じような文化会館や体育館を建て、運動公園に巨額の投資をするが、どこを見渡しても満足な図書館はないというような現状はおかしいのであります。近隣市町村が一体となって予算投資を効率的に行う、こんな当たり前のことが、目に見えぬ市町村の境界線があるため実施されませんでした。現在から将来への財政の見通しがますます厳しくなる現状では、市町村合併は絶対的な必要性を持つ課題に違いありません。  一方で、市町村の行政は単一市町村で完結できるものなど、ほとんどないというところまで拡大してまいりました。単一にほとんどの行政を完結し得る自治体は、県下では松山市のみに限られると思います。その松山市ですら上水道行政においては、他の市町村との連携がなければ完結できません。市町村合併の一つの理想はすべての行政を一つの自治体で完結できる規模に拡大することということができると思います。  今次の平成の大合併は、大きくは総務省の地方交付税交付金の逼迫した事情と財務省の財源事情によると私は考えていますが、受ける国民の側から見ると、血税の効率的な運用を市町村に求めるというものにしなければならないと思います。全国の都道府県では、それぞれ今回の大合併への取り組みに温度差が相当あるようです。  そこで、我が県の超積極的とも言える取り組みについて幾つか心配する事項をお伺いしたいと思います。
     まず第1は、先ほど申しましたできる限り市町村行政の完結できる規模を目指すべきという私の目から見ると、県が最初に示された合併の基本パターンは規模が小さく、これは何十年か後に来る大合併に向けた緊急避難的合併に見えるのですがいかがでしょうか。  道州制導入を見据えたとき、平成17年度以降あめとむちのあめは消えるにしても、県があめを用意してでも合併は促進するという態度が必要だと考えますがいかがでしょうか。  次に、むちの方を見ると、知事の合併促進の言動の中に非常に甘いあめと非常に痛いむちを感じ、心優しく物言わぬ愛媛の地方人士は恐れおののいているのを私は感じます。  国や県は、平成16年度までに合併すれば交付税交付金を向こう10年間保証し、合併しなければそれを大幅に減額するとあめとむちをちらつかせても、やっぱり今まで我が町、我がふるさとを全国や世界に羽ばたかそうと頑張ってきた自信ある人たちは、緊急避難の最小合併を選ぼうとするのも当然のように思います。新居浜、別子山や砥部、広田、また内子、五十崎などがその例ですが、私はこういう選択肢もあっていい、あるべきだと思うのですが、知事は、このような形の合併については、どのようなお気持ちでどのように対応されるおつもりかお聞かせください。  次に、新しく合併によってできる市町村の顔や形をどのようにして描くべきかということに関してであります。  進んで新しい我が町に思い描こうという思いが、余り感じられないのです。その原因の一つが、総務省以外の省庁の所管事項はどうなるのか全く示されないということにあると思います。  先般行われました農協合併は、私には農林水産省の都合のみで推進されたように見え、組合員にはおおむね不評です。農村部では、今度も間違いなくサービスは低下するだろうと思っていて、仕方なし合併の気持ちが蔓延しています。  また、例えば県は、伊予市・伊予郡で新しい市をつくるというパターンを出してくれましたが、新しい市ができても松山広域都市計画区域内に入る伊予市、松前町を抱える新市では、新しい姿形を描こうと思うと大幅な都市計画の変更が必要になる可能性が強いと思います。都市計画の大幅な変更には農振地域の見直しが必要になります。これを一例として、少なくとも県は、省庁横断的に部局横断での対応を図り、合併の姿形づくりに協力する姿勢を示すべきと考えますがいかがでしょうか。  次に、広域行政のうち、警察行政と市町村合併についてお伺いいたします。  松山市人口45万、警察署は東・西・南の3署体制、北条市、中島町は松山西署の交番で対応、それぞれ今次合併の動きが進んでいるところで警察署が複数になると思われる自治体は何カ所想定されるのか。先般の委員会で堀内県議の御質問に対し、警察署体制の見直しを検討中であるとお答えになっておられますが、現在、その御検討はどのような状況であるのか。また、どのような規模の警察署を理想として検討されているのかお伺いいたします。  次は、JR松山駅高架並びに駅周辺整備事業についてお伺いいたします。  私も今まで全国各地に参りましたが、その際JRを利用することはたびたびございます。そのうち、県都の駅で乗り降りする機会は非常に多いわけでありますが、JR松山駅のように中央出入口が1つしかない駅をいまだ見たことがありません。平成29年の国体にJR松山駅が現在のままであったとしたら、恐らく全国から集まった選手団の皆さん、観客の皆さん、そしてマスコミの皆さんの驚きあきれる様子が目に見えるようで、さてどうするのか、知事のお手並みを拝見しようと思っておりましたところ、知事は重大な決断をされ、JR松山駅高架事業を松山市の駅周辺整備事業と歩調を合わせて国体開催に間に合わすという決定をされたと伺い、知事の言われる普通の県への貴重な一歩を踏み出されたものとして、多いに賛同し、微力ではありますが協力を惜しまぬ覚悟であります。  四国の他の3県を見ましても、高松、徳島、高知3市とも、駅周辺は見違えるようなすばらしい県都の顔になっております。また、JR松山駅再開発は、私の20数年来の夢でもありましたので、県議に当選して間もないころ、約10年ほど前のことでございますが、松山市でJR予讃線以西に居住する人口を調べてみたのでございます。当時でも約14万人ほどの人口があったのでございます。現在14万人の人口を抱える市町村は、愛媛県下にはないわけでありますので、この14万人の人々や松山空港、松山観光港等を利用する方々に直接出入口を開くことは、JR四国の経営上から言っても大いにプラスになるものと考えます。  そこで数点、この事業に関してお伺いしたいと思います。  まず、高架事業について事業計画と予算規模はいかがであるのか、国、県やJR四国の負担はいかがであるのかを含め、できる限り詳しくお聞かせください。  また、推進協議会で議題に乗っているのかどうか知りませんが、JR四国は、県都松山の顔としての松山駅のイメージをどのように出そうと思っているのかもあわせてお聞かせください。  次に、駅周辺整備事業に伴う操車場と貨物基地の移転問題についてお伺いいたします。  駅周辺整備は、松山市のみならず愛媛県の顔の一つであるJR松山駅のイメージ一新のために、必要な不可欠な事業であると存じます。しかし一方で、操車場や貨物基地の持つ騒々しい、煤煙で空気が汚染されるというイメージは、国民の間に定着したものでございます。それだけに操車場と貨物基地の移転候補地となった伊予市や松前町周辺の住民の皆さんが、大いなる不安を抱えておられるのは消しがたい事実でございます。ですから、窓口たる県としましては、移転先候補地の皆さんが抱える不安の声に素直にこたえていく努力が不可欠であると思うのであります。  例えば、県住宅公社の伊予上野団地の住民の皆さんなどは、豊かな自然環境の中で子供を育てたい、静かな環境の中で余生を送りたいというような気持ちで住まいを構えられた方がほとんどであります。隣接地と言っていいような近所に操車場や貨物基地ができるのならこの団地を選んではいない。だまされたようなものだ。だからこの事業が公になってから残地の50数地区を買う人がいない。たった1つ売れたのは、業者が3,000万を切って捨て値で売った1軒だけだと言われます。自治会の代表が県庁の土木部に反対の意見を申し出に伺っても部長は会ってくれない。課にお話を聞いても測量が終わらないとお答えできないと言うとおっしゃってぷりぷり怒っておられます。大字上野地区にしても、その一部自治体であります伊予上野団地の皆さんがこう怒っていては、事業に積極的に協力しようと思ってもできないというのが事実でございます。  現在答えられることからお答えしていく、心を開いて住民の方々の意見をお伺いするという姿勢こそ、この事業の進捗を決める大切なかぎだと思うのであります。間違っても、鉄道法にのっとる事業だから強制収用も可能なのだというお考えは持たないでいただきたいのでございます。  ここは、知事のおっしゃる開かれた県政そのものの姿で県民に向き合ってくださるようお願いいたします。それとも、操車場誘致に消極的な県議を選ばれたのだから、操車場は伊予市には持っていかないと言っていただけると、一番私はありがたいのですが。  そこでお伺いいたします。  国の予算措置の見通しはどうでしょう。測量の実施状況は現在いかほどであり、今後の見通しはいかがですか。その後、設計や用地買収の年次計画はいかがでしょうか。また、騒音や煤煙という公害に対する方策はどう立てられるおつもりでしょうか。私は、周辺環境に負荷を与えないようにするため、最低工場立地法の準用をされるべきであり、またその上に、住居地域との間に公園を整備する等の措置をとるべきだと思いますがいかがでしょうか。  また一方では、伊予上野団地をつくるとき、地元はJRの駅を新しく設置してほしいと要請したのですが、隣接駅が近過ぎるとの理由でJR四国に断られたのでございます。今回はJRの事業を助けるわけでありますので、ぜひとも推進協議会において、県としてJR新駅の設置をお願いしていただきたいと存じますがいかがでしょうか。高速自動車道の開通に伴い、JRは都市交通から都市周辺交通の時代に入るということで、今治-伊予市間の普通電車も大変重視しているようであり、JRとしても十分可能と考えるからであります。  次に、松山市南町に計画されている県文化交流施設整備についてお伺いいたします。  ちょっと順番を変えました。(笑声)  もともとこの親和観光産業所有の土地については、平成11年の知事選のころから、きな臭いうわさが絶えません。  そもそも南町1丁目の土地は、県道20号線に面する部分が3カ所も歯抜けになっていて形状はすこぶる悪いのですが、1丁目と2丁目の土地を合わせると愛媛銀行、伊予銀行、県信連、住友信託、商工組合中央会、株式会社整理回収機構RCC合わせて総額74億円もの抵当権が設定されておりまして、特にRCCが平成11年に入っているということは、すなわち不良債権で、国の方針からすると、とっくに競売に付されているはずの整理物件なのであります。それが、県の文化交流施設予定地に入ったことにより平成15年の現在まで残っているのは、だれの目にも異常に映ると思います。  そこでお伺いいたします。  まず、県文化交流施設整備構想検討委員会の会長を、現在、学長の人格不適格をめぐり紛争中の松山大学学長青野勝広氏が務められていることは、私は全く不適切であると思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、このように複雑な権利関係の整理物件の上に、県が土地収用もできない事業の計画を立てることは異常であると思うのですがいかがでしょうか。  また、抵当権者たるRCCと話し合いをしているのでしょうか。事業計画を立てるからには、当然していると思いますが、もし話し合いをしていないのなら、国がRCCの債権を早く処理すべしとの方針で、いつ競売に付されるかわからない整理物件なのですから、県の事業の進め方に問題ありということになりますがどうですか。  一方で、話し合いをしている場合には、1企業の不良債権処理に行政が介入していることになり大問題だと思いますがいかがでしょうか。  県の買収が決まる直前、第三者があらわれて、この土地を安く買い、県に売却して利ざやを稼ぐのではないかと疑われる余地が十分あると思いますがいかがですか。  最後に、光センサー選果機の入札をめぐる不正事件について知事にお尋ねいたします。  この質問に入ります前に、この事件を長期にわたり取材を重ね報道を続けていただき、県民やミカン農家の目を開かせてくれた「政経ジャーナル」の東玲治氏の御努力に深甚なる敬意を表しますとともに、その取材の熱意にこたえ、ミカン農家のために社を辞してまで真実をお話いただいた元県外メーカー支社長の安井氏の勇気に対しまして、厚く御礼を申し上げるものでございます。  また、けさのNHKニュースで、県は、事件の告発については、農林水産省と協議の上、今週中に決定するとのことでございましたが、先ほどの午前中の知事答弁で、知事からは、JAの新体制の確立と再発防止策について系統組織と協議して取り組むとおっしゃいました。まだ協議していないのかと驚きました。  県農えひめの寺井会長に昼ごろ電話で、県から協議はありましたかと伺いましたら、全くそのような協議は来ていないとおっしゃる答えをいただきました。それとも系統組織とは農協中央会のことをおっしゃっておられるのでしょうか。補助金を待つ伊方、三瓶両ミカン農家の方々のお気持ちを考えると、県の対応は余りにも浅く遅いと感じざるを得ないと申し上げておきます。  さて、光センサー選果機の入札をめぐる一連の不正疑惑のうち、見積書の書きかえが行われたとされるJA西宇和の川上共選場の入札については、不正を裏づける事実がマスコミによって次々報道され、私ども農林水産委員会が要求し、やっと実現した県の再調査においても不正が明らかになり、JA西宇和の役員が引責辞任を表明、また入札見積書の日付は改ざんを県の現職担当係長が示唆したことが明るみに出るなど進展を見せております。  JA西宇和については、私はかねがね、共選単位のブランドを残し、消費者への共同選果の悪弊を最小に抑える努力をする等、他の合併農協とは際立つ対応をする立派な運営だと敬意を表してまいりました。しかるに今回の光センサー疑惑に加え、日の丸ブランドに便乗し日本一ブランドを利用しようとした事件も明るみに出、愛媛ミカン全体の信用失墜に陥ったことは極めて遺憾なことであり、かつてのミカン農家の一員として怒りを強く持つものであります。さらには、光センサー疑惑の影響で、農林水産省が平成14年度の補正予算で内定していた同じJA西宇和の伊方選果場の事業採択を見送ることを決め、県の予算案からも削られたことは、関係農家の御心痛を考えますとき、本県議員の一人として申しわけなく責任を感じているところであります。  ところで川上共選の不正入札については、昨年県が事実関係を調査し、入札は適正に行われ不正はなかったとの報告が農林水産委員会になされたことは、御承知のとおりであります。今回の再調査では一転して、実は不正があったというわけでありますので、一体県の調査とは何であったのかという思いを農林水産委員の一人として強く持つものであります。  そう思うのは私一人ではありません。2月20日付の愛媛新聞によりますと、農林水産省の須賀田生産局長は、短期間の再調査でこうも結果が変わるものかという表現で、県のこの間の対応の変化に強い不信感を表明したと伝えております。あきれ果てているわけであります。まことに遺憾なことと言わざるを得ません。  ところが不正が明確になりつつあった2月18日の記者会見で知事は、県の最初の調査で不正が発見できなかったことについて、次のように弁明しました。県の調査はいわゆる任意調査で、強制捜査権限はないから限界がある。関係者が口裏を合わせて不正の事実なしと県に報告すれば、ああそうですかと言わざるを得ない。「ああそうですかと言わざるを得ない」とは、無責任この上ない御発言と言わざるを得ません。  ところが、先ほど農林水産部長の答弁の中では、まだ調査で動機や背景に当たると言っております。以前の御発言と全く矛盾した御発言をされているわけであります。  私どもは、再調査が行われるまでの間、先ほども申し上げましたとおり、入札は適正に行われ不正はなかったとの説明を受けてまいりました。県の調査に限界があることは承知しておりますが、知事の会計検査後のコメントは不正があるはずがない等々、この説明の仕方では、不正はないと確信した言い方であり調査に限界があるということなどはみじんも感じさせないものでありました。  県の説明や調査報告に県民は疑いを抱きませんでした。間違っているのではないかなどとは夢々考えませんでした。その点は、議員も基本的に同じであります。  この問題についてマスコミが報道しなければ、我々は、県の調査報告をうのみにして県議会議員として重大な判断ミスを犯す可能性がありました。知事の弁明からは、県民世論をミスリードしてきた、あるいは県議会の判断を誤らせたかもしれないことに対する責任が全く感じられません。素直に謝罪すべきであると私は思います。  この不正疑惑につきましては、県は常にマスコミの後塵を拝してきました。その調査は限界があると知事はおっしゃいますが、公器とはいえ何の公権力も持たないマスコミに不正の解明ができ、限界があるとは言いながらマスコミにはない公権力を持つ県に不正の解明ができなかったのはなぜか、私には疑問が残ります。  また、口裏を合わせられたのではどうしようもないかのように知事はおっしゃいますが、口裏合わせが行われたことは早くから報道で、あの有名な政経ジャーナルで早くから指摘されてきたことでもありまして、その指摘を受けても不正の発見に至らず、再調査すらろくに行われなかったのはなぜかとも思うのであります。  つまり、我々委員会が県に再調査を求めるまで不正の解明が行われなかったのは、県の調査権限が及ばなかったためなのか、やっぱり今回の係長疑惑のように県も真実を隠したかったためではないのかと疑問を抱かざるを得ないのであります。  この不正疑惑を最初に伝えた政経ジャーナル誌は、不正を誘発したのは知事ではないかと指摘しています。  知事が、平成11年の知事選挙中の怪文書問題で県農会長の寺井氏を批判したことはよく知られたことでありますが、その寺井批判の中で、知事は選果機の発注が寺井氏に近い県外業者に偏っていて、県内業者の機械が少しも採用されないのは異常である、県内業者の機械をもっと多く発注するのが指導者の責任であると発言してきた。そのことが不正を誘発したのだと同誌は主張しているのであります。  知事が主張された県外業者に発注が偏っているという事実を私は承知しておりませんし、2月24日の記者会見では、あれは平成2年以降10年間の普通選果機のことだったと言われましたが、寺井会長は当時、温泉青果農協の組合長であり青果連の会長であったとはいえ、彼に県内他JAの発注権限は直接ない立場だったと承知しておりますから、知事は事実のすりかえを行っているなと私は感じておりました。  平成11年の知事選後、そういう内容の怪文書が出回ったことがありますが、知事の主張は怪文書の主張をうのみにしたのではないかと思われるもので、事実確認のないまま行われたものであると言わざるを得ません。私も過去、多くの中央官僚とのおつき合いをさせてもらっておりますが、このように事実確認を行わないでの発言をなさる人を知事以外に私は一人も知りませんし、県行政の責任者として無責任きわまりない発言であったと思うのであります。  もしあの発言によって、県内業者がどんどん受注できるようにすることそのものに知事のねらいがあったと考えるとつじつまがぴたりと合うのですが、そういう発言が繰り返された結果、光センサー選果機の発注が知事推薦の県内業者に偏り始めたと政経ジャーナル誌は指摘し、平成11年以降、疑惑が表面化するまでに行われた10件の入札のうち、まともな入札はたった3件しかなく、残る7件には不正の疑いがあり、その全部を県内業者が落札受注しているとも指摘しています。ちなみに今回の不正が明らかになったJA西宇和川上共選場の事件は、疑惑を指摘されている7件の入札の1件であります。  御存じのとおり、光センサー選果機の導入事業は国の補助を受けて行う事業であります。農林水産省は光センサー選果機の導入を図るに当たっては、指名競争入札を行い公正な発注を図るように再三にわたって指導してきた経緯があります。県内業者にもっと発注するのが農協指導者の責任であるという知事の発言は、この入札制度を無視したものであり、県行政の責任者として許されるものではありません。不正を誘発したのではないかという指摘は当然でありましょう。これが事業をゆがめた可能性は否定できません。県の調査に影響がなかったとも言えないのであります。  それにしても、知事の発言を掲載した愛媛雑誌平成12年の4月号を繰り返し読んでみましたが、知事は選果機については相当に詳しいなという印象を受けます。なぜなら文中で「発注が県外の特定の業者に偏っているのは極めて不自然です」とか、「それと同等以上の県内業者の機械が」とか、「他県に比べても愛媛は高く購入しているという問題もある」という発言です。  政経ジャーナル誌によると、この問題の県内業者は、平成11、12年ごろ、静岡県のあるJA役員に対し、光センサー導入に金銭の授受を申し込んだことを理由に指名を外された。本県ではこういう手口が奏効したのかとの指摘もございます。そういう業者がもっと受注すべきという知事の発言には、異様な空気を感じずにはおれません。  そこでお伺いいたします。  光センサー導入について、知事が発言当時、県外業者に偏ったという事実があるのでしょうか。あるのなら具体的にお示しください。私は、平成元年以降の国庫補助選果機導入事業の一覧を持っておりますが、全くそのような事実はないと私は承知しております。  知事は2月24日の記者会見での発言で、偏ったというのは、ある単位農協への導入のことだったと言われておられるが、それとあの雑誌での発言は全然脈絡がない、後でこじつけたというふうに思われるのですが、どうつながるのかお伺いしたいのであります。  次に、これから本格的に光センサー導入事業が始まろうという時期の発言でしたが、県内業者への発注を促す発言は著しく適切さを欠くものであったと思います。農林水産省が補助金適正化法に従い、厳正な競争入札を指導しているのに真っ向から敵対する発言であります。農林水産省の指導を重く受けとめ、厳正な競争入札を指導すべき立場の県知事のこの発言は、行政の指導者としての自覚も誇りもないものであります。  知事の発言により、農業団体の会合に全く県職員が出席できなくなり県農政が停滞していたのと軌を一にいたします。知事はその責任をどのように感じておられますか。不正を誘発させたとされる点についてはどうでしょうか。影響はなかったと思うと24日の記者会見で述べられておられますが、本当に影響はなかったと思われますか。教科書採択については、発言は教育長に影響を与えたと思うと繰り返し申されたのとは全く正反対の御発言です。  県の係長の関与については、担当部局の職員ですから、当然、知事発言について知っていたと思われます。それを踏まえて、県職員への発言の影響はあったと思うのが自然ですがいかが思われますか。我が県組織において、日付の改ざんを係長クラス、特に技術系職員が勝手に示唆することなど絶対にできないことは、県職員であればだれでも知っていることであります。  県の最初の調査で不正が発見されなかったのはなぜでしょうか。単に調査に限界があったからだとお考えですか。もしかして司法警察の捜査が行われることになると、事実が白日のもとにさらされることになり、そのことを知事以下、県職員の何人かが恐れていたからではないのですか。  次に、知事は、県議会に誤った調査報告をしたことについての責任をどのように認識し、どのようにおとりになられるのかお考えをお聞かせください。減給処分ぐらいでは、到底県民への責任はとり切れないと考えます。知事の進退を問われる問題だと私は考えます。  次に、これだけ世間を騒がせている事件ですから、今さら告発が必要とも思いませんし、当局においては、既に捜査を始められているのは当然のことと思いますが、念のためお尋ねいたします。  これまで述べたような観点から見ると、今回の一連の光センサー不正疑惑、これは、本来は知事が責任を持って告発すべきものと思っております。しかし、それができないというのなら、私は、県民の一人として県議会議員として、もしその資格があるなら、一連の光センサー不正疑惑を刑法159条、161条有印私文書偽造の罪及び同法96条3の第1項競売入札妨害罪並びに補助金適正化法29条違反等々に該当すると思われるため、刑事訴訟法241条をもって、愛媛県知事及び知事の意向ないし愛媛雑誌における知事の言葉を受けて各JAへ県内業者の採用を働きかけたと思われる関係者、そしてJA西宇和の前組合長初め関係理事者や不正な入札に関与したと思われる県内、県外の業者を私が告発いたします。この場合、県警は捜査に着手しなければならない義務があると思いますがいかがですか、本部長にお尋ねします。  多くの県民は、開かれた加戸県政はその捜査に十分協力するであろうと期待するでしょう。一日も早い疑惑解明により、県内の光センサー補助事業の復活が待たれます。我が県基幹産業の大きな柱であるかんきつ農業の振興のために、ミカン農家の要望に一日も早くおこたえするためにも、愛媛県警の厳正な捜査を心より願うものであります。  これで私の質問を終わりますが、加戸県政第2ステージの最大テーマとして、県民すべてが優しさを発揮して、困っている人や弱っている人を余力のある元気な人が助けるような相手をいたわり思いやる愛と心のネットワークを構築することを挙げております。まさに歌謡曲のテーマであります。実態を知る県民の中には、吹き出す人、怒り出す人が大勢いらっしゃいます。  私は、県民お一人お一人が真の勇気を出して、正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると言えるときを迎えたとき、初めて…… ○(柳澤正三議長) 時間です。 ○(岡野辰哉議員)(続き)愛媛の上に真っ青な青空が広がるものと信じ、質問を結びます。  ありがとうございました。(拍手) ○(柳澤正三議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(柳澤正三議長) 加戸知事    〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 岡野議員の質問に答弁さしていただきます。  まず、光センサー導入について、知事発言当時、県外業者に偏ったという事実があるのか。あるのなら具体的に示してほしいがどうかとのお尋ねでございました。  平成12年4月号でございますから、今から3年前になります。ここに雑誌のコピーを持ってまいりましたが、御指摘された部分はここの部分だと思います。ある団体が、毎年何億とかいう機器を導入していて、そのほとんどの発注が県外の特定の業者に偏っているというのは極めて不自然であると述べております。  いずれの業界、業種でありましょうとも、県内に同等あるいは同等以上の施工能力のある企業があります場合には、これら県内企業への発注機会の増加を図りますことは、県内経済の活性化を図る観点から言いまして、あるいは県内業者が納付されます県に対する法人2税に関しましても、県としては至極当然のことではなかろうかと思っておりまして、これは単に選果機のみならず、すべての業界について、県知事の立場として、県内業者の受注の機会の増大は、建設業を含めて従来からいろんな形で県内企業の振興のためにも頑張っているところでもございます。  そして、私がこの雑誌で述べましたのは今から3年前でございますけれども、当時、ここに至りますまでの間の平成元年度から平成11年度までの選果機の導入状況につきましては、ここに書いておりますある団体と申しますのは、ある特定農協でございますけれども、特定農協が発注されました7件のすべてが特定の県外メーカーのものでございまして、受注実績は43億円を超えております。そして、こういうような形のものは、私は背景事情当時何も存じません。ただ客観的に7件の選果機すべてが特定企業のみであったということについて、いかがなものかという感想を述べたものでございます。それなりのもし事情等がおありならば、それはそれなりで弁明の機会は幾らでもあったかと私は思います。  しかし、私が述べた件に関しましては、ある団体の発注が特定の県外の業者に偏っているというのは極めて不自然ですと述べた、極めて不自然という言葉が言い過ぎたかもしれませんが、いかがなものかという感想を持つことは、私のみならず、すべての県民がそう思われるのではなかろうかという意味でございます。ちなみにこれ以外の農協の場合には、それぞれ県内企業も採択しておりますし、あるいは県外企業も採択されている。さまざまなバリエーションはありますけれども、この特定農協のみがすべて県外の特定メーカーに偏っているという気持ちを私が持つこと自体は不自然でないと私は思います。  次に、県内業者への発注を促す発言について、知事は責任をどう感じているのか。また、不正を誘発させたとされている点についてはどうかとのお尋ねでございました。  私がここで述べましたのは、県内企業に発注を受けるチャンスを与えてほしいという趣旨のものでございまして、先ほど申し上げました7件のうち、1件のみは県内企業も競争見積りに参加いたしておりますが、それ以前は、見積り合わせということでございましたけれども、特定の県外メーカープラス同所在地の同じ県外のメーカーとの見積り合わせによってこのような形で採択が行われてきたことに関して、私が不自然さを感じたという意味でございまして、そのことに関しまして、不正を誘発させたという評論が雑誌でなされること自体は、言論の自由でございます。  ただそのことにつきまして、私の責任をどう感じるかというお話でございますので、答えさしていただきます。  選果機を導入する場合におきましては、いずれの農協におきましても、機械の性能、能力、既存施設との整合性、メンテナンス等を考慮して、先進事例も見た上で機種や業者を選定していると聞いておりますけれども、私の発言が各農協の判断に影響したり不正を誘発することがあり得るとは考えておりません。  今回の西宇和農協川上選果場の入札不正は、地元共選の強い意向があったと報道されておりますけれども、報道と言いますか、農協側が述べたと言われておりますけれども、県内メーカーを指向した経緯はあったといたしましても、今回のケースは、平成10年度以前の見積り合わせという随意契約に近い形とは違いまして、農林水産省の指導があったかどうか、言うなれば競争見積りという形で、競争入札に近い形の制度でございました以上、安い入札者を落札者とするべきであったことは当然のことでありまして、さらに隠ぺい工作もされておるわけでございますから、そういう意味では悪質な形態であると認識いたしております。このことは、私がかつての随意契約に近い見積り合わせの時期において、県内メーカーにもチャンスを与えなかったということに関しての発言が、同次元で語られるべきことではない問題ではないかと私は思います。  次に、川上共選の不正入札に係る県職員の問題につきましては、事実解明がおくれます中で、入札日を変更した形で報告があったことを承知しながらこの事実を語らなかったことの責任が問われているわけでございますし、私の発言が担当職員に影響を与えたものとは考えておりません。しかし、この職員が犯した行為において、いろいろな問題が生じた責任は、すべてトップリーダーたる私にあるということは、当初から申し上げさしていただいております。  次に、県の最初の調査で不正が発見されなかったのはなぜか。単に調査に限界があったからだと考えているのかという質問がございました。  この問題につきましては、所管の農林水産部がJA西宇和や関係メーカーに対して聞き取り調査を行うとともに、文書による回答等を求めましたが、これらがいずれも口裏合わせにより偽りの報告であったことから不正の発見に至らなかったものでございます。  私は、昨年来、司直の介入もあり得べしとして真相解明を強く求めてきたところでございますけれども、県には捜査権がございませんし調査には限界があるにいたしましても、県内部を含め、厳しくかつ徹底的に事情聴取をしていれば、早期解決に至っていたのではないかと猛反省をしているところでございます。  知事は、県議会に誤った調査報告をしたことについて責任をどう認識し、どのようにとる考えかとの質問がございました。  今回の再調査におきましては、JA西宇和の光センサー選果機入札に不正があったことが明らかになり、これまでの県議会への報告に誤りがあったことはまことに申しわけなく、何度でもこの壇上から心からおわび申し上げたいと思います。  今回の問題は、JA西宇和の悪質不正な事件とは申せ、県職員が入札日の書きかえを承知していたことも明らかになっておりまして、県政に対する県民の信頼を大変損なうものであると認識いたしております。したがいまして、私を含めた関係職員の厳正な処分を検討しているところでございますが、岡野議員は、単なる減給処分では不十分で進退が問われると御指摘になりました。進退の問題は、私みずからが判断する事柄でございます。ただ一言加えさしていただきますと、人格高潔で、怪文書の作成配布にはかかわりなく、きれいな生き方をされていると県議会の中で黎明の高い岡野議員の御質問の中に、県知事を告発したいという表現があったことは大変遺憾に存ずるわけでもございます。  刑法上は、名誉毀損罪、信用毀損罪等々もございますが、これはその事実の証明がなされない限り有罪になる性格のものでございますから、発言には十分、言葉遣いは選ばれた方がいいのではないか、岡野議員の品位を保つためにも申し上げたいと思っております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させます。 ○(吉野内直光副知事) 議長 ○(柳澤正三議長) 吉野内副知事
       〔吉野内直光副知事登壇〕 ○(吉野内直光副知事) 岡野議員にお答えします。  県の文化交流施設の整備に関しまして、私の方から2問お答えいたします。  まず、複雑な権利関係の整理物件の上に、土地収用もできない事業の計画を県が立てることは異常であると思うがどうかとの点でございます。  文化交流施設整備の候補地につきましては、岡野議員が言われておりますとおり、複数の金融機関による抵当権が設定されていること、また、土地収用対象施設になる部分もあると思いますが、ならぬ部分もあるかどうか非常に厳しいそういったことも承知いたしております。  しかしながら、この基本構想は、県民文化会館周辺地域に新たな文化交流施設を整備して、人と文化の交流拠点を形成しようとするものでございまして、県では、この構想の実現が愛媛県とそして松山市の文化振興及び観光振興に大変有意義なものと考えております。それでございますので、この計画があながち異常であるとは考えておりません。  次に、RCCと話し合いをしているのか。している場合、1企業の不良債権処理に行政が介入していることになり問題だと思うがどうかとの点でございます。  整理回収機構RCCでございますが、昨年6月担当課の方に先方から来訪がありました。そのときのお話は、文化交流施設の検討状況の質問がありました。お答えとしましては、基本方針は9月ごろ、基本構想は今年度末となる予定と回答をしたのみでございます。このRCCからの来訪以外に債権者とはこのRCCも含めまして一切話し合いは行っておりません。したがいまして、債権処理に関して債務者と債権者との間に県が介入しているという事実はございません。  なお、親和観光から、用地が直ちに競売されるという状況にはないとの感触は得ております。  1企業の不良債権処理に行政が介入しているとの御所見でございましたが、この用地は、文化交流施設整備構想検討委員会から、県民文化会館周辺地域に新たな文化交流施設を整備すること、そういった報告を受けまして、行政としての必要性から購入しようとするものでございます。また、価格も公正妥当な土地鑑定評価に基づき決定するものでございまして、御指摘の点は当たらないと考えております。  以上でございます。 ○(金谷裕弘総務部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 金谷総務部長    〔金谷裕弘総務部長登壇〕 ○(金谷裕弘総務部長)岡野議員の御質問にお答えいたします。  市町村合併の推進のあり方に関して6点の御質問ございました。そのうち4点につきましてお答えをさしていただきます。  まず第1に、県が最初に示しました合併の基本パターンにつきましては、規模が小さく何十年後かの大合併に向けた緊急避難的合併に見えるがどうかというお尋ねでございました。  今回の市町村合併は、地方分権の時代の行政の枠組みを決めていくものになると認識しておりまして、市町村が、地域の将来を見据えて、行政組織や財政基盤の面で自立し得ることが必要でございます。また、将来の道州制等をにらみますれば、広域的な合併が望ましいことはもちろんでございます。  一方で、市町村の範囲は、住民の生活圏や住民意識あるいは交通や河川流域などの地勢的まとまり等も考慮して検討されるべきでございまして、道州制等、広域的な府県制度のあり方につきましては今後まだ流動的ということでございまして、そういった不確定な要素を加味した合併パターンを県が示すことは問題があると考えておりまして、現状におきまして、県が示しております基本パターンが県全体を見渡して考え得る望ましい組み合わせと考えておりまして、緊急避難的なものとは考えておりません。  また、この合併パターンの位置づけは、市町村また住民の皆さんが合併に向けました具体的な論議・検討を進める際の参考とするものでございまして、最終的には、各市町村が、さまざまな観点から検討した結果、住民の意向を踏まえて選択されているものというふうに認識をいたしております。  それから2点目でございますが、道州制を見据えれば平成17年度以降も県があめを用意して合併を促進するという態度が必要だと考えるがどうかというお尋ねでございます。  市町村合併は、それぞれの地域が地域の将来のあり方を考えて取り組んでいくべきものでございまして、その意味からは、合併特例法の期限に縛られるものではないというふうに認識をいたしております。ただ厳しい財政状況の中で新しいまちづくりを考えますときに、できますならば、さまざまな優遇措置のある合併特例法の期限内に合併することが望ましいというふうに考えておりまして、このような観点から、平成17年3月の期限を見据えて、各市町村の取り組みを積極的に支援してまいりたいというふうに存じます。  それから3点目でございますが、最小型の合併については、どのような気持ちでどのように対応するつもりなのかというお尋ねでございます。  市町村が総合的に住民サービスを提供してまいりますためには、一定の規模が必要でございまして、まちづくり等で計画的あるいは一体的な取り組みの必要性や行政の効率化を図ります観点から言えば、通勤・通学等の住民の生活圏に合致したある程度大くくりの市町村合併が進むことが望ましいと考えておりますが、実際の組み合わせにつきましては、それぞれの市町村が住民の意向を踏まえ判断されていく問題というふうに認識しております。  市町村がどのような形の選択をされましても、県としましては支援をしていく考えでございますが、その場合、組み合わせの規模あるいは類型によって必要となります支援内容が異なってくると思われますので、これに応じた支援をしていきたいと考えておりまして、本年度中に策定いたします県の支援プランもそうした考え方のもとで検討してまいる予定でございます。  それから最後に、県は、省庁横断的に部局横断での対応を図り、合併の姿や形づくりに協力する姿勢を示すべきと考えるがどうかというお尋ねでございます。  お話にございましたように、市町村合併は新しいまちづくりということでございまして、総務部門だけで取り組むことのできる問題ではないというふうに認識しております。  したがいまして、県といたしましても全庁を挙げて支援していく必要があると考えておりまして、平成13年4月から、各部長、地方局長をメンバーといたします市町村合併推進本部を設置し、各部局におきまして予算配分の重点化を図るなど、合併推進に取り組んでおるところでございます。  また、先ほど申し上げました今年度末に策定を予定いたしております合併支援プラン等におきましても、社会福祉協議会あるいは商工会等の統合等円滑に移行できるような形での支援も盛り込むことも予定をいたしておるところでございます。  今後とも、全庁体制の市町村合併推進本部を活用し、各合併協議会と連携しながら、合併特例法の期限でございます平成17年3月を見据えて、新しいまちづくりを積極的に支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(三好大三郎企画情報部次長) 議長 ○(柳澤正三議長) 三好企画情報部次長    〔三好大三郎企画情報部次長登壇〕 ○(三好大三郎企画情報部次長) 岡野議員にお答えします。  県文化交流施設整備について、県文化交流施設整備構想検討委員会の会長が、現在紛争中の松山大学学長であるのは不適切ではないかとの御質問でございました。  青野会長には、これまでの県の各種委員会委員への就任の実績とか学識経験を勘案いたしまして委員就任をお願いし、平成13年5月の第1回の検討委員会で、委員の互選により会長に選ばれたものでございます。以後2年間にわたりまして検討委員会の運営に一方ならぬお骨折りをいただきまして、今回、周到な答申もいただいております。会長としての職責に欠けることはなかったと考えております。  以上でございます。 ○(山本雅史土木部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 山本土木部長    〔山本雅史土木部長登壇〕 ○(山本雅史土木部長)岡野議員にお答えいたします。  JR松山駅高架と駅周辺整備事業について4点の御質問がございました。  まず、高架事業の事業計画と予算規模はどうか。また、JR四国は、県都の顔として松山駅のイメージをどう出そうとしているのかというお尋ねでございました。  JR松山駅周辺のまちづくりにつきましては、県の鉄道高架事業と松山市の土地区画整理事業を一体的に実施し、平成29年の国体開催までの完成を目標として取り組んでいるところでございます。  鉄道高架事業は、JR松山駅周辺約2.2キロメートルの鉄道高架、それに伴う車両貨物基地の移転、そして行き違い区間約1.5キロメートルの複線化からなっておりまして、本年5月ごろをめどに概略設計を取りまとめているところでございます。その後、環境アセスメントや関係機関、関係者への説明、協議等を進めまして、平成17年度に都市計画決定を行い、18年度には事業着手したいというふうに考えております。  事業費につきましては、現時点で約351億円を見込んでおりまして、その内訳といたしまして、鉄道高架区間が178億円、車両貨物基地移転が143億円、行き違い区間が30億円となっております。  負担内訳は、これは補助事業採択を前提とした場合でございますが、この場合、おおむね国が32%、県が40%、松山市が8%、そして鉄道事業者が20%となります。  また、松山駅のイメージにつきましては、今後、JR四国を中心といたしまして、県や市など関係機関で幅広く意見を交換し、周辺のまちづくりと調和したデザインとするとともに、路面電車やバス等との円滑な乗りかえが可能でバリアフリーに配慮したにぎわいのある駅となるよう検討していくこととしております。  次に、国の予算措置の見通しはどうか。また、測量の実施状況と今後の見通し、その後の設計や用地買収の年次計画はどうかというお尋ねでございました。  国の予算措置の見通しにつきましては、事業着手の前提でございます着工準備採択は、平成15年度には残念ながら得られなかったところでございますが、現在、16年度の採択を目指しまして、松山市とともに全力で取り組んでいるところでございます。  また、測量につきましては、それぞれ地元関係者の同意を得た後、高架区間は、平成13年度に完了し、基地移転先及び行き違い区間につきましては、昨年12月に完了したところでございます。  現在、測量成果をもとに事業箇所全体の概略設計を行っておりまして、まとまり次第、計画の内容について、それぞれ関係機関、関係者に対しまして、順次説明してまいりたいと考えております。  なお、用地買収につきましては、事業着手後、早い時期に開始したいと考えておりますが、具体的な年次計画等につきましては、概略設計ができ上がった後に検討することといたしております。  3点目といたしまして、騒音や煤煙という公害にどう対応するのかというお尋ねでございました。  鉄道高架事業の環境対策につきましては、県条例に基づきまして環境アセスメントを実施することといたしておりまして、来年度から2カ年で騒音、振動、大気、動植物などへの影響について調査・評価を行い、その結果に基づきまして、環境面に十分配慮した施設となるよう適切に対応してまいりたいと考えております。  最後に、推進協議会においては、県はJR新駅の設置を要望してもらいたいがどうかというお尋ねでございました。  新駅の設置につきましては、ダイヤの調整が可能なことや常時一定以上の利用者が見込まれること等の条件を満たすことが必要なことから、まず、これらの条件をクリアできるかどうかについてJR四国や関係機関と検討してみたいと考えております。  なお、条件をクリアした場合でも、設置費用は地元負担となる可能性が極めて高うございますので、費用対効果等について慎重に検討する必要があるものと考えております。  以上でございます。 ○(小谷渉警察本部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 小谷警察本部長    〔小谷渉警察本部長登壇〕 ○(小谷渉警察本部長)岡野議員にお答えをいたします。  まず、市町村合併推進のあり方について、松山市の3署体制のように、合併後、警察署が複数になる自治体は何カ所想定されるのかという御質問でございました。  合併に向けまして法定協議会が設置されております市町村の区域を管轄している警察署を見てみますと、まず第1に、新居浜市と別子山村につきまして新居浜警察署と三島警察署が、第2に、西条市、東予市、丹原町、小松町につきまして西条警察署と東予警察署が、第3に、今治市と越智郡10町村につきまして今治警察署と伯方警察署が、第4に、東宇和郡と三瓶町につきまして宇和警察署、野村警察署及び八幡浜警察署がそれぞれ現在管轄しているところでございます。  次に、警察署体制の見直しの検討はどのような状況にあるのか。また、どのような規模の警察署を理想としているのかという御質問でございます。  警察署の体制につきましては、県民生活の安全を確保することを第一義として、各警察署管内の人口、道路交通事情や警察事象の変化に応じ見直しをしてきたところでございます。  本年度も警察官の増員に伴いまして、新たに38名の警察官を10の警察署に増員配置したところでございますが、限りがある人員ですべての警察署に、県民生活の安全確保のために必要な体制を確保するためには、今後、管轄区域の変更を含めたさらなる体制の見直しが必要であると考えているところでございます。  警察署の体制の見直しを検討するに当たりまして、どの程度の規模の警察署を念頭に置くべきかを一概に申し上げることはできませんが、各地域の人口密集度、道路事情、警察事象の質や量といった諸要素を総合的に勘案して、県民生活の安全の確保という観点から個別に判断してまいりたいと存じます。  その際、必要がありますならば、警察署の統合も視野に入れて、今後検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に、光センサー選果機の入札をめぐる疑惑について、岡野議員が一連の疑惑を告発された場合、県警は捜査に着手しなければならない義務があると思うがどうかという御質問でございました。  いわゆる光センサー選果機の導入をめぐる問題につきましては、一連の報道等により承知をいたしているところでございます。  個別具体的な事案に対し捜査を行うかどうか、あるいは捜査をしているかどうかにつきましては、捜査というものの性格上答弁を差し控えさせていただきますが、告発について、一般論として申し上げますと、告発は、何人でも犯罪があると思料するときは行うことができるとされておりまして、告発がなされれば、私ども警察といたしましては犯罪の成否につき、個別具体的にその内容を十分に吟味し、法と証拠に基づき適切に対処してまいりたいと思います。  以上でございます。 ○(岡野辰哉議員) 議長 ○(柳澤正三議長) 岡野辰哉議員    〔岡野辰哉議員登壇〕 ○(岡野辰哉議員) 再質問をさせていただきます。  知事の答弁でちょっと理解しがたいところがございましたので、質問をいたします。  質問番号3番の1でございます。  光センサー導入について、知事発言当時、県外業者に偏ったという事実があるのか。あるのなら具体的に示してほしいがどうかということに対してお答えでございますが、知事は以前、記者会見で平成2年以降とおっしゃったように思いますが、今私の持っております資料と一緒で、平成元年以降の温泉青果において毎年のように、具体的に言いますとマキ製作所が入っておりますが、それが11年までのお答えで7つということでございました。  平成元年が北条と平井、平成2年が堀江、3年堀江、10年が流通、11年流通、流通というのは福角町でございますけれども、それから、11年中島とこういうことになっておるわけでございますが、この愛媛県全体の導入で見ますと、知事が記者会見でおっしゃった平成2年度から11年度までに、調べてみますと、石井製作所が15、マキが8、白柳式選果機が1、太陽機械が1ということでございまして、知事のあの雑誌における指摘の中では、全く知事が後でおっしゃった温泉青果で毎年のようにと言いますが、元年に2つ、2年、3年、あとは飛んで10年からですから、そんなに毎年だという気はしません。  それから、宇和青果農協なども、石井がその時点で2年から11年までですと3、平成元年から11年までですと石井独占の4、それから後も4独占ですから、平成元年から13年度までに宇和青果などは全部石井でございます。その中で、見積り合わせで県内業者は入ってなくて、県外だけで見積り合わせをしておるのはおかしいとおっしゃいましたが、温泉青果以外のほかの越智今治からずっと始まって数多くの農協では、そうじゃなくてもっと公平な見積り合わせをしておるんだというニュアンスを受け取ったのですが、その事実があったら教えてください。それは私は承知をしておりません。  それからもう一つ、1の4番でございますが、総務部長答弁でございますけれども、私が質問要旨の中に書いてなかったので、それはわからなかったとおっしゃられるならもう答弁要りませんが、私は例として今言いましたように、例えば、広域松山都市計画圏に含まれる伊予市、伊予郡などは、新しい市をつくった場合に都市計画の変更が必要になる。その場合は、農林水産省の農振地域との調整も必要になると、こういうことを言ったのですが、答弁の中にはそういったことが具体的に全然入ってなかったものですから、できましたら、せっかく例示しました国土交通省と農林水産省所管のことについて、できればお答えを願いたい。  以上でございます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(柳澤正三議長) 加戸知事    〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 岡野議員の再質問に答弁いたします。  繰り返しになりますが、えひめ雑誌で私が述べた事項は、ある団体の発注が県外の特定の業者に偏っているというのは極めて不自然ですと言った流れの話でございます。  ここで毎年という言葉はこれは不正確だったと思います。私自身は、別にペーパー、書類を見てしゃべったわけでございませんから感覚的な話はします。そういった点では、今岡野議員が指摘されましたように、平成元年に2つ、平成2年に1つ、平成3年に1つ、平成10年に1つ、平成11年に2つ、ですから3カ年連続と2カ年連続があったということですが、7件がいずれも特定の県外業者であるということと、それから最終の平成11年度の1つは、マキ製作所と石井工業の競争見積りでございましたが、それ以前は、特定県外業者とまた別の県外業者との組み合わせによる見積り合わせ等によって行われているという点を、私自身が県内業者を全然見積り合わせに参加させなかったり、あるいは結果として、受注のチャンスがないということに関しての不自然さを申し上げさしていただいたので、ほかの農協がどうであったかというのは、3年前に私は承知しませんでした。  今おっしゃいましたように、たくさんの選果機を導入しているのは、特定農協以外にあと3つございます。大口としては。それはすべて平成元年からのデータがございますけれども、この間の記者会見での平成2年は私の言い間違いで、感覚的でございますから、平成元年からというのを平成2年からというぐあいに記者会見でとっさの話として申し上げたと思います。常にデータを手に持っているわけではございません。私の感覚的にインプットされている範囲内での話を常にしておりますので、そのことが正確を欠いているという事実は認めますけれども、大筋において私は誤っていると思いません。  しかもこの発言をした趣旨といいますのは、県内企業があるのだから、県内企業にもチャンスを与えるというのが通常のリーダーとしての発想であって、しかるべきではなかったのかという思いを3年前に述べたことでございまして、これが逆であったとするならば、私は言わなかったろうと思います。そんな意味の事実関係に関する答弁だけに絞らしていただきます。 ○(柳澤正三議長) 暫時休憩いたします。      午後3時10分 休憩    ――――――――――――――――      午後3時25分 再開 ○(柳澤正三議長) 再開いたします。  質疑を続けます。
    ○(尾崎聡議員) 議長 ○(柳澤正三議長) 尾崎聡議員    〔尾崎聡議員登壇〕 ○(尾崎聡議員)(拍手)加戸知事がみごと2期目の当選を果たされました後の初議会となる本議会、そして私の県会議員生活で最後の定例会となる本議会に、一般質問の機会を与えていただけましたことを先輩、同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。  加戸知事再選本当におめでとうございます。知事がこの4年間ひたすら取り組まれた県政改革が県民に大きな評価をいただいての再選です。改めて2期目の御精進、御活躍を心から期待いたします。  さて、この4年間の第1期加戸県政の成果について考えてみたいと思います。具体的な政策面の達成については、ここ1年間ほどの議会での与党議員の皆さんの質問の中で的確に触れられていたと思いますので、ここでは繰り返しません。  私は、加戸県政における根本的な物の考え方や意識のありようを加戸知事の個性についての考察も交えながら考えてみたいと思います。  加戸県政で最も中核となる物の考え方は、県民の目線に立った県政です。これはごく当たり前のスローガンのようにも聞こえますが、その意味するところは極めて深いものがあります。県政は、本来県民のために行政を行うのが原点であって、県民は県庁にとっていわばお客様です。お客さんの要望や意見、反応に耳を傾けながら、よりお客さんに喜んでもらえる仕事をしていくのが本来です。  しかし、この当たり前のことが、ともすれば忘れられがちになります。何と言っても県庁は大きな予算と権限を持った組織だからです。放っておくとついついしてやっているという意識になりがちです。そして、お客様である県民の意向に耳を傾けるより、県庁内の上級者の意向にだけ耳を傾けていた方が、楽ではあるし、あわよくば出世もしやすいと考えるようになりがちです。このような内向きの傾向は、別に県庁に限ったものではありません。企業しかり政党しかり戦前の軍隊もしかりで、お客さんの声をよく聞いたり外の状況を熱心に分析するより、内部の仲間内の声だけを気にしていた方が楽ですから、だんだん内向きの論理に終始するようになってきて、しばしば組織は停滞し、あげくの果ては崩壊する場合もままあります。その際、大抵は外の声によりよく反応する他の組織にとってかわられるものです。  加戸知事は、停滞感が強く漂っていたかつての県政に今一度元気を取り戻すためには、県庁組織の本来の原点に戻ることが一番だと考えられました。内向き志向をやめ、県民の声を聞き県民の反応を見ながら県民のためを考えながら仕事をする本来の県庁に立ち返ろうとされたわけです。視線を内向きから外向きに転換し、県民と対話する中からダイナミックな県政をやろうではないかと呼びかけたのです。ですから県民の目線に立った県政のスローガンは、かつての愛媛県政の問題点の本質を一言であらわしたものであると同時に、今後、ともすれば忘れられがちになる県民サービスの精神の原点に常に立ち戻るために、折に触れて繰り返し語られるべきテーマであると思います。  もともと公務員になろうと思った方々というのは、自分の利益を中心に考えるよりは、世のため人のためになる仕事をしたいという思いの方が多いと思いますので、このテーマに反応してくれる職員さんが多いと確信しております。強いて言えば、企画畑より事業実施畑の方の方がついつい忘れがちになりやすいとは思いますが、ぜひこの原点が風化しないことを期待いたします。  加戸知事自身は、まさに率先垂範、可能な限り多くの県民に知事がじかに会って話を聞こうと努力されていて、多くの新機軸の会合を設定していくと同時に、日常生活においても、例えば、昼食も可能な限り一般職員さんと触れ合えるよう職員食堂を利用しているなど、トップとして目覚ましい努力をされていますが、これはなかなかまねのできることではありません。県民の声を聞く姿勢を持ってほしいという思いで、いわば県庁の職員の皆さんを叱咤激励しているとも見えます。このような有言実行が加戸県政の大きな特色の一つです。  さて、このような県庁の意識改革の先頭に立つ加戸知事の人間性の本質を一言で言えば、私の感じるところでは、強きをくじき弱きを助ける義侠心であると考えます。かつての県政がしばしばその逆であっただけに、この加戸知事のキャラクターが今の県政をそして県政改革の方向性を大きく性格づけていると思います。  その手法の適否の議論を別にしますと、かつて県内で権勢をふるっていた諸団体もしくは諸個人に対する知事の批判について言えば、少なくともその世界ではその権力が恐れられていた強い団体や個人にのみ知事の攻撃の矛先は向かっていたのであって、その世界でもともと弱い立場にあると見られていた団体や個人を批判した例は余りありません。  さらに言えば、えひめ丸事件の際、外務省でさえ当初及び腰であったにもかかわらず、アメリカ海軍、アメリカ政府というどう考えても極端に強い相手に対しても、ひるまず堂々と県民の立場を主張し立ち向かっていったのも、まさに加戸知事ならではと思います。また、いろいろと評価は分かれますが、教科書問題にしても、ここ数十年間で日本社会に牢固としてでき上がった一般社会通念という大変強い相手に対し異議申し立てをし、敢然と立ち向かっていった行為とも考えられます。加戸知事の歴史認識は今の日本社会では少数意見かもしれませんが、100年後は多数意見かもしれないのです。  強い相手に敢然と立ち向かっていく加戸知事の姿は、いわゆる長いものには巻かれろ的精神とはちょうど正反対であり、思わず「その志や善し」と声援を送りたくなるほどですが、ただその際の手法は、正直なところときどき周囲をかなりはらはらどきどきさせるところはあります。  加戸知事にお願いします。少なくとも愛媛では、知事という立場は恐るべき権力を持つ強い立場だと思っている人がほとんどですので、加戸知事自身も御自分で思われている以上に強い存在だということはぜひ忘れないようよろしくお願いします。  加戸知事の人柄からくるもう一つの特長は、常に知的好奇心を持ち続け、常に新しくて創造的なことにチャレンジしよう、ありきたりでないやり方を常に模索していこうとするチャレンジ精神が旺盛なことです。既成観念を取っ払おうという姿勢を県庁のみんなが持とうという雰囲気が今じわじわと醸成されつつあるのを感じます。今回、知事選挙の手法をガラッと変えてみたのも明らかにその精神のあらわれです。私の見るところ、愛媛を旧来の工業社会的メンタリティから、知的付加価値に重きを置く脱工業社会的メンタリティへと急速に導きつつあるのが、加戸知事です。  以上まとめてみますと、加戸県政の考え方は、お客様である県民との対話を通して、県政をともにつくり上げていこう、その際、自由闊達な議論をとうとび、新しいことにチャレンジする心を持とう。そして、正しいと思ったことは、相手が手強く困難でもひるまず立ち向かおう。しかし、強い者が周りを力で押さえつけて自由闊達さを押しつぶすのは許さない。逆に、弱い者に対しては可能な限り手を差し伸べていこう。このような考え方と言っていいのではないでしょうか。  これは、確かにかつての愛媛県政のイメージと比べると革命的と言っていい意識の変革です。そして、普遍的な価値観にのっとった考え方です。このような県政の意識改革の動きが広く深く浸透していきますことを心より祈りつつ、質問に入らせていただきます。  今、地域経済にどのようにして活力をつけていくかが大きな政策テーマとなっています。私なりにさまざまな視点から考えてみながら幾つか質問をしてみたいと思います。  これからの産業は、高付加価値化を図らねばならないということがコンセンサスになってきました。単純な製品、産品は、賃金の安い国へどんどん生産が移っていくでしょうから当然のことです。ここでいう高付加価値とは、一言で言えば、より消費者の好みに合う製品とするために、より高度の機能や品質、デザインを備えていくことです。別の面から見てみますと、今、ある一つの商品の値段の中にはどういう費用が含まれているかを考えてみます。まず、原料、素材の費用がありますが、これは今はごくわずかです。そして、その製品をつくるに要した製作費用もありますが、これも現代の製品においてはわずかなものです。今、比率が高いのは、何と言っても売れる新製品を生み出すための研究、開発費用とその商品をどう売るかの販売戦略のためのいわゆるマーケティング費用です。逆に言えば、研究、開発部門やマーケティング部門が高い付加価値を生み出しているとも言えます。  高付加価値経済を実現するためには、マーケティングやマーケティングと密接に結びついた研究、開発が必須ということです。このことから県として何を考えるべきでしょうか。  私は、県産品あるいは県の観光資源のセールスのトップに立つべき県庁自身が、販売戦略の考え方をもっともっと取り入れていくべきだと思います。また、県内の企業や生産者がもっと販売戦略の考えを持てるように研修等の場を設定し、啓発していくべきだと考えます。そして、県内の企業や生産者が、マーケティング的発想に基づいた研究や開発にさらに努力を傾けていく機運を醸成し、その支援に力を入れていくべきだと思います。さらに言えば、県庁自身も高付加価値を持つ県産品をつくり出すための研究、開発機能に今後もっと人材と予算を投入していくべきだと考えます。  以上、4つの点について順に見てみます。  加戸県政になって「愛媛産には、愛がある。」のキャッチフレーズをつくり出したり、県産品優先使用というポリシーを打ち出されたりし、また、愛媛県を題材にした映画や小説等の製作も積極的に進めるなど、ついに愛媛県庁も加戸知事を先頭にマーケティング活動に乗り出してこられました。大変いいことであり、この際ぜひ県庁を挙げて本格的な愛媛産品、愛媛の観光資源を売り込む販売戦略の検討に入っていってもらえますことを期待いたします。  いわゆる販売戦略という場合には、売り込むべき市場のニーズを把握する市場調査をしつつ、その製品をどういうイメージ戦略で、どういう広告手法で売り込んでいくかを考えます。さらに具体的に売り込むための販路をどう開拓していくかも考えます。その意味で、今回東京に、香川県と共同で県産品のアンテナショップを開設されることは、そのための糸口になり得るものとひそかに期待をしております。アンテナショップの開設により、そこでの客の反応をよく分析されて、その情報を今後の販売戦略の立案、ひいては売れる商品開発、売れる観光資源開発にうまくつなげていってもらいたいと願います。  さらに経済諮問会議のメンバー選択の際にも、今後、マーケティングにかかわる仕事をされている企業や組織の関係者を意識的に選ぶというような年もあってもいいように思います。もっと言えば、経済諮問会議は、原則として県内企業、組織の方をお呼びして提言を聞く場ですが、残念ながら、マーケティングの面では、愛媛は全国的に見てそれほど強い地域ではありません。マーケティングに強い地域、例えば東京などの専門家を呼んでさまざまな話を聞く場を設定するということがあってもいいように思います。また、県庁が販売戦略に力を入れているイメージが広く行き渡ってきますと、県内企業や団体に対して販売戦略の重要性を伝えるシンボルにもなると考えます。  そこでお伺いいたします。  今後の県内経済活性化のためには、県庁が県内産品や県内観光資源を全国、場合によれば外国にも向けて積極的に売り込んでいくことが必要であり、そのためには、本格的な販売戦略の考え方を導入する必要があると考えます。このことについてどのようにお考えでしょうかお聞かせください。  次に、県内企業、さらには農業生産者、水産業者等にも今よりもっと販売戦略の手法を身につけてもらえることが、県内企業の活力アップにつながると思います。  従来、経済活性化を考えようと言いますと、ややもするとものづくりにより励もうというような発想が中心だったと思います。ものづくりがすべての基本であることは間違いありませんが、ただ単にまじめにいいものをつくっただけではなかなかうまくいかないのが現実です。より売れやすいように製品のデザインやパッケージのデザインを工夫してみるとか、ストーリー性のある宣伝コピーを考え出すとか、あるいは従来の発想と全然違う販売ルートを使ってみるとか、市場調査してみて売る商品の種類や地域に絞り込みをかけてみるとか、さまざまないわゆるマーケティング活動によりエネルギーを注いだ方が、結果的にはるかによく売れ出したというのはよくある話です。これは一般消費者向けの商品について最もよく言えることですが、素材や部品を提供する業種についてもかなりな程度言えることです。  従来愛媛は、製造業についてもそうですが、特に農林水産業の分野でこのマーケティング力が弱かったように思います。あるいはマーケティングと密接に結びついた形でものをつくるという発想が弱かったと言ってもいいかもしれないと思います。愛媛産業の活性化のためには、ぜひマーケティング能力を向上させるべきです。そのため、関係業界への啓発活動を活発に行ったり、マーケティング活動に取り組む企業や生産者への支援措置を考えてみたらどうかと思います。  そこでお伺いいたします。  愛媛の各産業のマーケティング力アップのための啓発活動や支援措置についてどのようにお考えでしょうかお聞かせください。  次に、新製品、新技術の研究、開発が大切だということは申すまでもありません。今後、ものづくりに励むという際には、単に決められたものをまじめにつくっていくというだけではなく、新しい製品や新しい技術を研究し、企画し、開発していくという分野を含めてものづくりと考えるべきですし、研究、企画、開発の方により大きなウエートをかけて考えていくべきだと思います。ただその際、技術的におもしろいということだけで開発しているだけでは、なかなか売れる製品、売れる商品に結びついていきにくいので、先ほどからの話のように、お客の反応を見ながら、お客の好みにより合わせた形に研究、開発していくという姿勢が大切だろうと思います。また、市場調査をしてお客のニーズがどこにあるかを把握して、それにあわせた開発をしていくことも重要になってきます。  本県においても、紙加工品やタオル製品、食品加工品のように一般消費者向けの商品を生産している産業が結構立地していますが、そのような業種が技術開発、商品開発するための県の試験場や技術センターも幾つか存在し、研究開発のための有用な手助けなどをされているところであります。今後は、その際、従来の加工技術向上のための手助けはもちろん、さらにお客の好みの変化に合わせた製品開発という面での手助けにも力を入れていただくことを希望するものです。  そこでお伺いいたします。  民間企業や生産者が新製品、新技術の研究、開発を進める際に、よりマーケティングと密接に結びついた形での研究、開発を行えるよう支援をしていくことも必要になってくると思いますが、その点についてどのようにお考えでしょうかお尋ねします。  さて、県は今、工業技術センターを初めとして、農林水産業それぞれの試験場も含めて多くの研究機関を持っています。それぞれの機関で独自の研究開発を進める一方、愛媛大学など他の機関との共同研究にも多くのテーマで取り組んでいるところであります。  近年、県の研究機関が関係している分野で多くの目覚ましい研究開発成果が上がってきています。今ではかなり有名になった水質浄化の微生物や愛媛県の日本酒が続々と金賞を取る原動力になったと思われる清酒醸造用酵母、ダイオキシンを大幅に減らせれる小型焼却炉などなど、ヒットが相次いでいるところであります。県自身がこのように研究、開発に力を入れ、そしてその成果も続々と出始めているということは、民間企業や生産者に対しても研究、開発部門こそがこれから重要だよと巧まずして伝えていることになりますし、いい刺激にもなっていると思います。  県の研究機関のいいところは、民間と違い、余り目先の有用性にとらわれず、基礎技術的な分野の研究に力を入れることができるところです。往々にして基礎技術の研究からの方が大化けする大ヒット商品が生まれたりするものですから、将来が楽しみなところです。特に農林水産業の分野においては、なかなか生産者サイドでは新品種の開発などはやりにくく、しばしば栽培方法の改善や養殖技術の改善などのいわば生産技術の改善にとどまる場合が多いと思います。それだけに売れる新品種の開発などの分野では、県の研究機関への期待が高いものがあります。その際、これまでの話からは当然のことになりますが、関係業界のニーズをよくくんだ上で研究対象や研究時期を設定していくことが重要です。関係業界のニーズをくみ取る努力をよくされている研究機関がある一方で、まだまだそういう対応の鈍い機関も見受けられますので、ここはぜひ県民の目線に立った県政の精神にのっとり、それこそ関係業界の要望をくみ取る市場調査をよくした上での研究をされることを要望するものです。  そして、県内経済活性化を考える際には、県の立場での公的な研究、開発事業の充実は、他の大抵の分野より大きい効果をもたらすことが見込まれますので、今後、この分野により一層の人材と予算の傾斜配分を考えてみるだけの価値は十分にあると思います。  そこでお伺いいたします。  高付加価値を持つ県産品をつくり出すための研究、開発機能を県庁みずからも今後さらに充実させていくことが望ましいと思いますが、その点についてどのような見解を持たれているでしょうか。また、研究、開発を進める上での基本的な考え方もあわせてお尋ねいたします。  最後に、福祉について質問いたします。  加戸知事は、今後、福祉の面で愛媛に愛と心のネットワークをつくっていきたいと抱負を述べておられます。強い人が弱い人を助ける気持ちをお互いに持ってほしいという加戸知事らしい思いから出た考え方です。  愛媛県の福祉施策は、かつては残念ながらかなりおくれていたと言っていいと思います。福祉分野は県政の優先順位でも必ずしも高い方ではありませんでした。しかし、加戸県政になってから、社会的に弱い立場にある人たちへの感受性をもっと持とうという機運が高まってきて、これまで必ずしも熱心に耳を傾けれてなかった場合も結構あった状況から、最近はさまざまな層の要望や声をよく聞いていこうという姿勢に変化してきました。その結果、かゆいところに手が届くようなきめの細かい事業が充実してきつつあることは大変ありがたいことであります。  もちろん財政面での近年の厳しい制約の中でやりくりしつつ福祉施策の充実を図っていかなければならないので、一足飛びにあれもこれもというわけにはいかないのは当然です。一番大切なことは、県庁の職員の皆さんが社会的弱者に対する感受性を持ち、福祉の心を共有してもらえることだと思います。  福祉分野の事業は、すべてをお金で済ますわけにはいきません。心のこもらない福祉では意味がないし、また何もかも財政で見ようとすると明らかに財政もパンクしてしまうからです。その意味で、福祉の心を持つ多くのボランティアの方々と行政や関係団体、機関の職員の人たちが手に手を取り合って進めていくべき分野だと思います。愛と心のネットワークという魅力的なメッセージが知事から発せられただけに、今後、このメッセージをどのように具体的に肉づけしていくかが大きな仕事になってくるだろうと思います。  そこで提案があるのですが、愛と心のネットワークというテーマにふさわしい具体的な福祉事業を多くの方からアイデアを募ってみるのです。県の職員全体の中から募ってみるのもいいでしょうし、日々福祉施策の現場で御苦労されている市町村の職員さん、また、福祉団体や福祉施設で働いておられる皆さん、そして、NPOを初め福祉ボランティアに汗をかいておられるボランティア団体の皆さん、こういった方々から事業アイデアを募るのです。県からは基本的なコンセプトや条件だけは提示して、あとは自由に発想してもらうのがいいのではないでしょうか。  愛と心のネットワークは恐らく多くの県民の皆さんの自主的な参加や協力なしには構築しがたいと思います。それだけに発想段階から県民各層に広く参加を呼びかけ、その後の事業策定、事業実施の時点においても、常に広い層の参加と協力を仰ぎながら進めていくことが望ましいように思われます。  そこでお伺いします。  知事が提唱されている愛と心のネットワークを福祉面で具体的に肉づけをされていくに当たって、どのような考え方と手順で進めていこうとされているのかお尋ねいたします。  以上で私の質問は終わりますが、最後に引退に当たりましてのごあいさつを申し上げたいと思います。  振り返ってみますと、私が初当選を果たしました平成3年4月は、ちょうど湾岸戦争終了直後のことでありました。12年後の今また、イラクとの開戦間際というこの時期に県議会を去ることになるというのも、何か不思議なめぐり合わせを感じるところがあります。  この12年間、先輩議員、同僚議員の皆さんにはいろいろと大変お世話になりました。元来それほど議員向きとも思えない私でしたが、何かと親切に助言や指導をいただきましたことを本当に感謝しております。もちろん議員さんの中には、いい人もいれば私から見て余り好きになれない人もいましたが(笑声)、ただ一つ明らかに言えることは、さすがに選挙をくぐり抜けてきている人ばかりですので、どの方も独特の人間的魅力を持った人ばかりだったということです。一般社会よりはるかにユニークな個性を持った人の多い世界でした。その意味でも得がたい体験をさせていただいたと思っております。  さて、この12年間のうちで、県議会がより開かれた県議会になるようにと思って私も努力してきたつもりですが、去るに当たって少し心残りがあります。と言いますのは、県政改革とあわせて議会改革もこの数年進んできた面もある反面、最近、県議会で少数意見は余り尊重しなくていいだろうというかのような、どうもかつての妙な偏狭さに似たものが復活し始めているのを感じるのです。私は、12年間議員をやってみて感じましたのは、もし愛媛病なるものがあるとするなら、それは偏狭なる精神のことをいうのではあるまいかということであります。  一般的に言って、現在、世の中の多数意見になっている意見は、ほとんどすべてが最初は少数意見の状態から出発しております。経済成長重視しかり、社会福祉重視しかり、環境重視しかり、規制緩和またしかりであります。もちろん現在の少数意見のすべてが将来の多数意見になるわけではありません。多数意見になり切るまでに消えてしまう意見の方が多いでしょう。しかし一方で、将来の大きな流れになる意見は、必ずと言っていいくらい、現在の少数意見の中にあります。いわば少数意見は、将来の多数意見の宝庫なのです。  私は、行政に対して、新しい視点や新しい発想を提示していくことこそ本来の議会の役割だと思っております。将来の愛媛を切り開いていけるような新しい発想や新しい意見のふ化装置、インキュベーターの役目を議会が果すべきだと考えます。どうかそのために奥行きの深い議会、懐の深い議会であってもらえることを心より期待しております。  それから、県職員の皆さんにも大変お世話になりました。私は、かねがね愛媛県庁は、愛媛最大のシンクタンクであり愛媛最大のコンサルタント会社だと考えております。それにふさわしいだけの人材の宝庫ですし、今後の社会からはそのような役割をこそ期待されていると思います。県民のための県政の原点を忘れず御精進されますことを心より期待いたします。  最後になりましたが、マスコミの皆さんにもいろいろな面で大変お世話になりました。県政は、最後にマスコミの皆さんが存在して初めて完結するものだと思います。報道によってこそ、県政に対する視点や切り口が県民に提供され世論が形成されていくわけですから、世論形成の上では議会と並んで、あるいはひょっとすると議会を超えるほど重要な役割を果たしています。そのような重大な機能を果たされているという責任と自覚にのっとった行動を期待いたします。  現代は、情報過多に陥った社会であり、国ほどではないにしても県から流れてくる行政情報もおびただしいものがありますが、どうかその情報の波に飲まれてしまうことなく、何が価値ある情報なのかを鋭敏なセンスでつかみ取り、県民の皆さんにわかりやすい形でその背景等を的確に分析していただけることを期待いたします。望むらくは、マスコミの方々には、ぜひ人間の営みである歴史というものに対する深い認識の上に立った分析報道をしていただけますことを心よりお願いいたします。  いろいろ述べましたが、どうか県民の目線に立った県政を実現するため、理事者の皆さん、県議会の皆さん、そして関係の皆さんが御努力いただき、愛媛県政がさらなる発展を遂げられますことを心よりお祈りいたしまして、最後のごあいさつにかえさせていただきます。  長い間、本当にありがとうございました。(拍手) ○(柳澤正三議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(柳澤正三議長) 加戸知事    〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 尾崎議員の県議会最後の質問に答弁さしていただきます。  冒頭、加戸県政に関するさまざまな分析、拝聴さしていただきまして、加戸守行なりの知事としての臨む気持ちを御理解いただいたことに心から感謝申し上げます。と同時に、手法に関する御忠言、まことにありがとうございました。私自身がさまざまな形で発言すること、行動することが、県民の多くが権力者としての行動発言として見ているという御指摘、心にしみました。そういう点の反省に欠ける面があったということを自省さしてもいただいております。  御質問が、県内経済の活性化方策につきまして、県内経済活性化のために、県庁が県産品や県内の観光資源を全国に、また外国にも向けて売り込むために、本格的な販売戦略の考え方を導入すべきと思うがどうかとのお尋ねでございました。  県内経済の活性化を図りますためには、本県のすぐれた観光資源や良質で豊富な県産品を国内外に売り込むための販売戦略を確立して、関連産業の振興に努めていくことが極めて重要であると考えております。  このため県におきましては、観光面では、これまでにも、JRグループと連携した四国デスティネーションキャンペーンの一環として、全国の旅行業者に「癒しの四国」をテーマとした旅行商品の造成を要請するなどいたしまして、民間のノウハウを生かした観光の振興にも努めているところでございます。  さらに、来年の春から開催する予定でございますえひめ町並博2004におきましても、的を絞った広報戦略のもとで、南予スケッチツーリズムなど、最近の観光ニーズに即した旅行商品を数多く開発・提供するなど、マーケティングを重視しましたイベントを開催する考えでもございます。  また、物産の面でも、知名度が低い本県産品の売込みを強化いたしますため、首都圏において、流通関係者等を集めた「愛媛・食の夕べ」を開催いたしまして、愛媛の食材の普及、拡販に努めているほか、今月25日開設予定であります東京アンテナショップにおきましては、本県産品の効果的なPRと販路拡大を図っていきますため、マーケティングのノウハウを有する民間企業へ物産販売を委託いたしますとともに、POSシステムを導入することによりまして、消費者ニーズを蓄積・分析し生産者にフィードバックさせるなど、流通販売体制の構築に役立てることといたしております。  今後とも、お話がございましたように、経済諮問会議やえひめ観光推進プラザに参画している専門家や民間企業経営者の方々などのマーケティングや販売戦略に関する具体的な提言をちょうだいしながら、観光・物産に関する販売戦略の確立、強化に取り組んでまいりたいと思っております。  次に、高付加価値を持つ県産品をつくり出すための研究、開発機能を県庁みずからも今後さらに充実させていくことが望ましいと思うがどうか。また、研究、開発を進める上での基本的な考え方はどうかとのお尋ねでございました。  県の試験研究機関が研究開発を進めます上での基本は、各業界が経済環境の変化や顧客ニーズに合わせ取り組んでいる新技術や新製品の開発を支援し、愛媛の活性化につながる付加価値の高いものづくりを進めていくことであると考えております。そのため、研究開発に取り組む組織体制や予算の確保はもとよりでございますが、研究開発に携わる職員の資質を向上させることが何よりも不可欠であると思っております。  このため県におきましては、試験研究機関にそれぞれに先端機器を計画的に導入いたしますほか、研究開発機能の充実に努めております。さらに、研究職員を国の研究機関や大学等に派遣し、最先端の技術や高度の開発力を修得していただくなど研修体制を充実しますとともに、各業界の技術者や大学の研究者、分野の異なる試験研究機関の研究員との交流の拡大にも努めております。  特に、本年の4月に川之江市に開設いたします紙産業研究センターにつきましては、すぐれた機能を持つ新しい紙の研究開発を担当する任期付の研究員を新たに登用するなど、スタッフの充実を図ることといたしております。  また、農林水産系の試験研究機関におきましても、昨年3月愛媛県農林水産関係試験研究構想を策定し、試験研究体制の整備に計画的に取り組んでいるところでございまして、開発に年月は要しますけれども、昨年度来、食味・品質のよい水稲品種「愛のゆめ」、そして、糖度の高いかんきつ品種愛媛果試28号、さらに、味のよい肉用鶏媛鶏試33号など、順次その成果を上げているところでもございます。  また、個人的なことを申し上げて大変恐縮でございますが、先ほど質問の中で触れられました新しい酵母を用いまして、私のいとこも2年連続金賞をちょうだいしておりまして、そういった意味におきましても、県の試験研究機関、個人といたしましても大変尊敬し、敬意を表しているところでもございます。  今後とも、試験研究の施設や設備の整備、さらには職員研修の充実、産学官連携の推進などの取り組みを通じて、県産品の高付加価値化を推進し、地域経済の活性化に努めてまいりたいと思っております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたしますが、最後に、私も一言申し上げさしていただきたいことがございます。  今回の質問をもちまして、尾崎県議が今期限りの勇退をされますこと、大変私にとっても名残惜しく存じます。  先ほどの御発言の中で、議員向きでない議員とみずからを評されましたが、私も知事向きでない知事でございました。(笑声)そういった点の共通感も感ずるところでございます。特に、少数意見は多数意見の宝庫であるというお言葉、ありがたくちょうだいしたいと思っております。  「虎は死しても皮を残す」と申します。尾崎県議、県議会を去られましても名言を残されました、受けとめさしていただいて職務に専念したいと思っております。  今後また、引き続き外野席からの御忠告を心から祈念いたしまして、答弁にかえさしていただきます。  ありがとうございました。 ○(今井春雄保健福祉部長) 議長 ○(柳澤正三議長) 今井保健福祉部長    〔今井春雄保健福祉部長登壇〕 ○(今井春雄保健福祉部長)尾崎議員にお答えします。  愛と心のネットワークを福祉面で具体的に肉づけしていくに当たって、どのような考え方と手順で進めていくのかとの御質問でございました。  愛と心のネットワークを構築するため、福祉分野においては、県民一人一人が健やかで幸せに暮らせる愛媛づくりを目指し、年齢、性別を問わず、お互いが助け合い支え合う心の福祉を積極的に推進していくことが重要であります。  こうした心の福祉の実現に向けては、地域住民が中心となって、子育てに不安を感じている母親、体の不自由な人々や一人暮らしの高齢者など手助けを求めている人と手助けができる人に対し情報の提供や相談、助言、ボランティア活動の仲介、コーディネート等を行うえひめ助け合いサポートシステム仮称でありますが、このシステムの構築に取り組んでいくことが必要と考えております。  尾崎議員の御提言にもございますように、今後、いろいろな人々から御意見やアイデアをいただきながら、具体的なシステムの内容や支援方策等について検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○(高須賀功経済労働部長) 議長
    ○(柳澤正三議長) 高須賀経済労働部長    〔高須賀功経済労働部長登壇〕 ○(高須賀功経済労働部長)尾崎議員にお答えいたします。  県内経済の活性化方策のうち、愛媛の各産業のマーケティング力アップのための啓発活動や支援措置についてどのように考えているのかとのお尋ねでございます。  産地間、企業間競争が激化する中で、愛媛のものづくりが発展し地域経済が活性化していくためには、ものの質を高めるだけでなく、いかに売るかが重要であるとこのように考えております。  このため県におきましては、マーケティングを重視した施策の展開に努めておりまして、農林水産業の分野では、「愛媛産には、愛がある。」のキャッチフレーズのもと、全国初の試みとなる県産材製品の標準価格と単価表の作成、農林水産物直売所の開設やルートフェスタの開催などに取り組むほか、本年4月から、中日本エアラインに「愛媛産には、愛がある。」の機内広告も計画しているところでもございます。  一方、中小製造業の分野では、企業が開発した新製品の販売や新たな販売方式の導入に対し低利融資や助成等を行いますとともに、各産地組合が行います展示会出展や販路拡大への取り組みに対し助成もしているところでもございます。  特に、今治地域のタオル産業につきましては、15年度から新製品のPRや販路開拓、販路調査等売れるものづくりのための総合的な支援に取り組むこととしております。  また、えひめ産業振興財団においても、企業に専門家を派遣し、製品づくりにおけるデザインや営業、販売に関する課題を解決するための診断、助言を行うほか、新商品、サービスの専門見本市への出展や大規模小売店での試験販売などによりまして、企業のマーケティング支援に努めているところでございまして、今後とも、企業や産地が取り組む売れるものづくりを積極的に支援してまいりたい、このように考えております。  最後の答弁をさしていただきます。  民間企業や生産者が新製品、新技術の研究、開発を進める際に、マーケティングと結びついた形で研究、開発を行えるよう支援していくことも必要と思うがどうかとのお尋ねでございます。  企業や生産者が市場競争力のある商品を開発するためには、取引先や消費者のニーズを踏まえた研究開発を行うことが重要でございます。  このため、先ほどもお答えしたとおり、県や関係財団等におきまして市場調査などマーケティング力の向上に向けた各種支援を行っているほか、各試験研究機関においても顧客ニーズを重視した研究開発と技術支援に取り組んでいるところでもございます。  農林水産分野では、県産品の付加価値を高め、1.5次産業の振興を図る観点から、マーケティングの専門家や食品加工業者等で組織します農林水産加工利用開発会議を設置いたしまして、消費者ニーズに即した研究課題の発掘と開発支援に努めておりまして、本年度は、生産量全国一の裸麦を活用したビールの開発などに取り組んでいるところでもございます。  一方、工業系の試験研究機関におきましても、企業や県民を対象とした研究成果の発表会開催やデータベースを活用し、業界や消費者のニーズを把握分析して、企業に対し、最新の技術や理論はもとよりデザインのトレンドなども含めた情報を提供いたしますとともに、研究員による企業訪問を強化いたしまして、企画段階から参画して清酒用優良酵母など市場が求める製品づくりを支援しているところでもございます。  今後とも、これらの取り組みを通じまして、企業や生産者がマーケティングに直結した研究開発に取り組めるよう各関係機関が有機的に連携しながら積極的に支援してまいりたい、このように考えております。  以上でございます。     ―――――――――――――――― ○(柳澤正三議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明4日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後4時8分 散会...